米Intelが7月27日(現地時間)に発表した同社2023年度第2四半期(2023年4〜6月)決算は売上高・利益ともアナリストの予想平均を上回った。全てのセグメントで年末まで「持続的な低迷」が続くと見ている。だが、PC市場の縮小が緩和し始めており、経費削減の効果が加わって、3四半期ぶりに最終黒字に転換した。同社はコア・コンピタンスとファウンドリー強化に集中するスリム化を進めており、パット・ゲルシンガー氏のCEO就任以来9つの事業から撤退し、年間17億ドル以上の経費削減を達成した。

4〜6月期のGAAPベースの売上高は129億ドル(前年同期比15%減)、純利益は15億ドルで、1株あたりの利益は0.35ドルだった。非GAAPだと、純利益5億ドル(同52%減)、1株利益0.13ドル。アナリストの予想(非GAAP)は、売上高121億1000万ドル、1株損失0.03ドルだった。以下は事業グループ別の売上高。

  • クライアントコンピューティング・グループ:売上高68億ドル(前年同期比12%減)。TAM(Total Addressable Market)の縮小、OEMの在庫削減調整で収入が低下したが、ノートパソコン向けの減少が続く一方でデスクトップ向けが4%増え、前年同期比減少率が前期の38%から12%へ縮小した。コンシューマー向けCPUの供給過剰が解消に近づいており、遠くない将来にセルイン(チャネルに販売されるCPU数)とセルスルー(顧客に販売される数)のバランスが取れると予測した。
  • データセンター&AI:売上高40億ドル(前年同期比15%減)。TAMの縮小と競争圧力により収入が低下。サーバー向けCPUの回復については、従来の予想より遅い進展になると改めた。データセンターとクラウド支出の大部分がAI対策に充てられており、通常CPUに割り当てられるデータセンター予算がGPUに奪われている。
  • ネットワーク&Edge:売上高14億ドル(前年同期比38%減)
  • Mobileye:売上高4億5400万ドル(前年同期比32%減)
  • Intelファウンドリサービス:売上高2億3200万ドル(前年同期比307%増)

2023年7〜9月期のガイダンス(非GAAP)は、売上高129億〜139億ドル、粗利益率43%、0.20ドルの1株利益。アナリストの予想平均は、売上高132億3000万ドル、0.16ドルの1株利益だった。予想を上回る利益の見通しに、時間外取引で株価が上昇した。