自作デスクトップPCのように全てのパーツの交換が可能で、自分で組み立てることもできるノートPC「Framework Laptop」。開発・提供する米Frameworkが、第12世代Intel Coreへのアップグレード・キットの出荷を開始した。

Framework Laptopは、iFixitの修理可能指数(10点満点)で10点を獲得。パーツを交換・修理しながら長く使い続けられるノートPCであるのが特長だが、昨年7月に発売されたばかりで、これまでCPUは第11世代Intel Coreのメインボードを交換することしかできなかった。本当に次の世代へのCPUにアップグレードするボードを提供できるのか? スタートアップのFameworkの将来性を危ぶむ声も広がっていたが、新しいアップグレード・キットの出荷実現でFramework Laptopに関心を持っている人達の不安を和らげた。

メインボードにはキーボードを外して内部にアクセスする必要があり、パーツ交換では分解工程が多い作業の1つだが、それでも指示に従って進めることで簡単に交換を完了できるとのこと。Framework Laptopには、筐体のネジ用のTorx T5ドライバーが同梱されており、また部品を見分けられるようにラベルが貼られているか、部品が色分けされている。各ユニットにQRコードが表示されていて、それを読み込んでチュートリアルビデオやサポートページにアクセスできる。

  • Intel Core i5-1240Pの交換パーツ

    Intel Core i5-1240Pの交換パーツは449USドル、i7-1260Pが6990USドル、i7-1280Pが1,049USドルとなっている。

新しい世代のCPUへのアップグレードが可能になったことで、Framework Laptopのユニークな特長をユーザーが全て利用できるようになり、これがFrameworkプラットフォームの実質的なスタートといえる。そのタイミングでFrameworkはレビュー機のメディアへの配布を開始した。The Vergeは「約束は守られた、次世代のアップグレード可能なUltrabookがついに実現」と歓迎。Engadgetは「FrameworkのノートPC初のメジャーアップグレードで頭脳の交換が可能に」というレビュー記事において、容易なパーツ交換を高く評価している。また、PC Gamerは「これはゲーミング・ノートPCの未来に違いない」と、Frameworkがゲーミング・ノートPCに参入することを熱望した。