米Intelが4月28日(現地時間)に発表した2022年度第1四半期(2022年1月〜3月)決算は売上高・利益ともアナリストの予想平均を上回った。だが、PC向けプロセッサを扱うクライアントコンピューティング・グループの売上高が落ち込み、4〜6月期の業績予測が市場予想を下回ったことで時間外取引で株価が下落した。

1〜3月期の売上高は184億ドル(前年同期比7%減)、純利益は81億ドル(同141%増)で1株利益は1.98ドル。非GAAPだと、売上高184億ドル(同1%減)、純利益36億ドル(同35%減)、1株利益0.87ドル。アナリストの予測(非GAAP)は、売上高183億ドル、1株利益0.80ドルだった。以下は事業グループ別の売上高。

  • クライアントコンピューティング・グループ:売上高93億ドル(前年同期比13%減)。Apple向けのCPUとモデム事業の縮小、エントリー帯のコンシューマ向けと教育向けの需要減で売上高が減少した。
  • データセンター&AI:売上高60億ドル(前年同期比22%増)。ハイパースケールおよびエンタープライズ顧客からのXeon需要が増加。
  • ネットワーク&Edge:売上高22億ドル(前年同期比23%増)
  • Accelerated Computing Systems and Graphics Group:売上高2億1900万ドル(前年同期比21%増)
  • Mobileye:売上高3億9400万ドル(前年同期比5%増)
  • Intelファウンドリサービス:売上高2億8300万ドル(前年同期比175%増)

10nm/Intel 7の製造ラインの立ち上げ、製品やプロセス・ロードマップへの投資によってクライアントコンピューティング・グループの営業利益が減少。営業利益率が前年同期の40%から30%に低下した。Intelは米国や欧州で生産能力の拡大、次世代の製造技術への投資を進めている。決算発表後のカンファレンスコールで、CEOのPat Gelsinger氏が生産能力やツールの制約による半導体不足の影響が少なくとも2024年まで続く見通しを示した。

一方で経済正常化に伴う巣ごもり需要からの反動がPC市場に広がり始めている。4月11日にGartnerが発表した2022年1〜3月期の世界PC出荷台数は7786万台で前年同期比6.8%減だった。PC需要減の影響をIntelも受けており、2022年4〜6月期について売上高180億ドル、売上総利益率51%、1株利益0.70ドルという予測を示した。アナリストの予想平均は、売上高183億ドル、1株利益0.83ドルだった。