11月20日公開の映画『海の沈黙』の公開直前イベントが18日、東京・芝公園の東京タワーで行われ、本木雅弘、小泉今日子が出席した。

映画『海の沈黙』の公開直前イベントに登場した小泉今日子、本木雅弘(左から)

『前略おふくろ様』(日本テレビ系)など数々の名作を手掛けてきた巨匠・倉本聰が長年にわたって構想した脚本を『沈まぬ太陽』や『Fukushima 50』などの若松節朗監督が映画化した本作。余命僅かな天才画家(本木雅弘)が、生涯想い続けていた一人の女性(小泉今日子)、幻の絵画「海の沈黙」に秘められた愛が30年の時を経て動き出す、この冬もっとも泣ける大人のラブストーリーとなっている。孤高の画家・津山竜次に本木雅弘が扮し、竜次のかつての恋人を小泉今日子が担当。さらに中井貴一、石坂浩二ら豪華なキャストが揃う。

そんな本作の公開を間近に控えたこの日、東京タワーで点灯式を実施。点灯を前にした本木が「年末も近づいてきて、その年の思いや切なさが似合う季節になってきました。この映画は惚れた、晴れたのストーリーとは違う大人のラブストーリーですが、誰かを愛おしく思い、心の明かりが灯ることを味わえる作品ですので、今日は色んな願いを込めて明かりを眺めることができると思って楽しみにしています」と点灯が待ち遠し様子で、小泉も「すごくワクワクしますけど、映画の中では若い頃に恋愛をしていた2人の役だったので、その気持ちに戻って(点灯のボタンを)押しましょうね」と役同様にかつての恋人同士のようだった。

その2人がボタンを押して東京タワーとミニ東京タワーに明かりが点灯。本木が「東京タワーは66歳なんですね。大木や御神木に見えます。神々しい!」と目を丸くすると、小泉も「今もとってもキレイですが、クリスマスに向けてお出掛けやデートなど多いと思います。是非見に来て欲しいですね。東京タワーはロマンチックな気分になれますね」とアピールした。

2人は、アイドル時代から共演したことがある旧知の仲。本作で32年ぶりに共演を果たした。小泉が「昔、テレビ東京さんのスタジオが近くにあって、そこでレギュラー番組を収録してたよね」と振り返り、本木も「アイドル番組があったんですけど、そこのアシスタントガールでしたよね」と思い出話に花を咲かせる場面も。また、本木は当時、東京タワーにあるお店に出入りしていたといい、「僕は藤谷美和子さんのファンで、色んなステッカーを売っているお店がありました。”美和子命”というステッカーをしこたま買ってバッグに貼り付けてました。そんなこともありましたね(笑)」と明かした。

最後に本作について、本木は「事実上、私と小泉さんの記念碑的な作品であることとともに、決して濃厚なラブシーンとかそういった表現があるラブストーリーではないんですが、多くの出会いや別れを経験してきた大人の人が味わい噛みしめる、そういったタイプの愛の表現が見られると思います」と大人が楽しめるラブストーリーを強調した。

小泉は「私と本木さんは10代で知り合って、同じアイドルとしてすごく頑張っていた時代がありましたが、それからそれぞれの道があって、でも1人で走っていると隣に本木さんがあの辺走っているから自分が間違ってないんだという気持ちにしてくれた存在でした」と話し、「映画の中で竜次と安奈は長らく会っていませんでしたが、心の中で大事持っていて彼が生きてれば私も頑張れる、みたいな存在で、(実生活でも)お互いがそういう存在だったと思うんです。そういったことを倉本さんが素敵な脚本にし、監督が映画にしてくださりました。大人の方には分かってもらえる、響くものがあると思うので、ぜひ楽しみに見ていただければと思います」と訴えていた。映画『海の沈黙』は、11月20日より全国公開。