映画『静かなるドン』(前編5月12日、後編5月19日公開)の完成報告会見が19日に都内で行われ、主演の伊藤健太郎をはじめ、本宮泰風、筧美和子が登壇した。
同作は新田たつお氏による人気コミックの実写化作。関東最大規模の暴力団新鮮組のひとり息子・近藤静也(伊藤)は「ヤクザなんて嫌い、カタギとして平和に生きたい」と願い、デザイン会社で働き、イマドキの草食系男子として生きている。しかし普通に生きたいだけなのに、新鮮組の危機に直面した静也の生活は一変する。
昭和の名作のリメイクで主人公・静也を演じた伊藤は、「世代ではない僕も知っているような作品に出させていただけると聞いたときは嬉しかったですし、すごく気合いを入れて現場に向かいました」と回顧。昼はデザイン会社の社員、夜はヤクザの総長というギャップのある役に挑戦したことに触れ、「デザイン会社で働いているシーンはまとめて撮らせてもらいました。別の作品にクランクインするくらいの気持ちで現場にいました」と当時の意気込みを明かす。特に姿勢は意識したそうで、「昼は猫背っぽい感じ。ビジュアルとしてそこのギャップがあればあるほど面白いんじゃないかなと思って。あとはテンションマックスで、自分がやれる最大のテンションでやりました」と笑顔を見せた。
伊藤のギャップのある演技は本宮にとっても印象深かったようで、「任侠作品でコメディタッチの作品は少ないので貴重」とした上で、「そこを健太郎が“こいつ、病気なんじゃないか……?”というくらい振り幅をつけて演じてくれました」と形容して笑いを誘った。
また、撮影で印象に残っていることを聞かれた3人は、口をそろえて「寒くて撮影が中止になったこと」と回答。伊藤が「何十年に一度の大寒波の日があって、セリフを言えないくらい顎がガクガクに(笑)。気合いじゃどうにもならない世界でした」と過酷な現場を思い出すと、本宮も「厳しかったよなぁ……」と深くうなずいていた。