スペインの中央銀行であるスペイン銀行(BDE)が、ホールセール中央銀行デジタル通貨(CDBC)のテストを始めるため実験プログラムを立ち上げようとしており、現在、国内の金融機関や技術機関に対し、コラボレーション案の提出を求めていることを明らかにした。

12月5日に発表された声明によると、同銀行はこのプログラムで3つの主要分野に焦点を当て、資金移動のシミュレーションと、金融資産の清算実験、および現在のプロセスやインフラにホールセールCBDCを導入するメリット/デメリットの分析を目指すという。

ホールセールCBDCとは、通常、銀行が中央銀行に準備金を預けるために使用するデジタル通貨のことを指す。これに対し、一般の人々の使用に供されるのがリテール(汎用)CBDCである。

このプログラムはBDEが「独占的に」行うものであり、欧州連合で行われているデジタルユーロの利用を研究する作業とは無関係であると、同銀行は述べている。

このプログラムへの参加を希望する利害関係者は、BDEが定める最低要件を満たしている必要があり、23年1月31日までの申請手続きにおいて、このプロジェクトでの提供を約束する「経済的手段」を開示しなければならない。

BDEはプログラムを実施する理由の中で、「ますますデジタル化の進む社会のニーズと需要への適応」にCBDCがどの程度貢献できるのか判断するのに、この研究を役立てることができるとしている。

また、CBDCは主にリテールでの応用を重視する多くの法域内で「分析や実験」が行われていると指摘する一方で、CBDCの「ホールセール的性質や銀行間での使用」を掘り下げて研究する企業が増えているとも述べている。