映画『ファミリア』(2023年1月6日公開)の完成披露上映会が22日に都内で行われ、役所広司、吉沢亮、サガエルカス、ワケドファジレ、アリまらい果、シマダアラン、スミダグスタボ、成島出監督が登場した。
同作は山里に暮らす陶器職人の父・誠治(役所)と海外で活躍する息子・学(吉沢亮)、そして隣町の団地に住む在日ブラジル人青年・マルコス(サガエルカス)の3人を中心に国籍や育った環境や話す言葉などの違い、血のつながりを超えて強い絆で“家族”を作ろうとする姿を描いたオリジナル作品。『八日目の蝉』『ソロモンの偽証』『いのちの停車場』など、人間ドラマの名手の成島出が監督を務める。
イベントの最初には、役所のマイクが入らず地声であいさつをするというハプニングも。初共演で親子役となった役所について、吉沢は「すごく嬉しかったです。いつかはご一緒させていただきたいと思った方でした。話自体も素晴らしいですし、役所さんとお芝居ができることもこの作品に参加させていただける重要なことの一つだったので、緊張しましたけど楽しみにしてて、実際にお芝居して学ばせていただけるところもたくさんありました」と振り返る。
吉沢が「役としての佇まい、本当にその場に存在してこの人の日常がこれなんだという説得力が凄まじくて、もうすごかったです」と感嘆すると、役所は「立派な息子ですよね、お父さんのことこんなに褒めてくれて。撮影中も吉沢くんは自然にシーンに入ってきて、会話するシーンも自然に存在してくれる。彼の存在感が体の中に入ってきたように思います」と讃えていた。
この日はオーディションで選ばれ同作に参加した若者たちも登場し、格闘家としても活動するルカスは「役所広司さん、吉沢亮さん、佐藤浩市さんにMIYAVIさんと、テレビの向こう側でしか見たことなかった人たちとこのような形で映画に出られること、本当に想像もしてなかった」としみじみ。吉沢の妻役のアリが「役所広司さんも吉沢亮さんもシーンの前で全然違う話をしてきてくださって、私たちが自然にいられるようにしてくれて最後までできた」と感謝すると、吉沢が「優しかったよね、多分」と顔を見合わせて笑う。
ファジレは「役所広司さんがブラジルで映画の撮影したことがあると聞いて、ポルトガル語もちょっと話してくれたので、びっくりした。『しゃべれるじゃん!』と思って」とフレンドリーな様子で会場を笑わせる。役所は彼らについて「(今日は)ブラジルの子達がこんないい子でおとなしくて、僕が知ってる子たちと違う感じがするんだけど。立派なスピーチするし」とツッコミ、成島監督も「みんないい子でお利口で、これだったらすぐオーディションに落ちてたと思います。本当は言うこと聞かない子ばかりなんだけど、そこがどうにもかわいくて、一緒にやってきました」と紹介していた。