Microsoftのスマートフォンビジネスが、失敗した原因の1つに「Windows Phone」で画面キャプチャーが禁止されていたことがある。機能が搭載されていないだけでなく、画面キャプチャープログラムを開発することもできなかった。このため、Windows Phoneのブログや解説記事がほとんど登場せず、インターネット内では「存在しないも同然」の状態だった。なぜ、そんなことをしたのかはいまだに不明である。後継となるWindows 10 Mobileでは、普通に画面キャプチャーが行えた。もちろん、Windows Phoneの前製品だったWindows CEベースのスマートフォンでも可能だった。結局、Windows PhoneのつまずきがWindows 10 Mobileにも影響、パッとしないまま終息を迎えた。アンドロイドなど競合に勝てなかったというよりは自滅という感じである。
少なくとも、ソフトウェアやハードウェアに関わる文章を書く人にとって、画面キャプチャーは、必須のツールといえる。また、ペンなどを装備したマシンでは、画面キャプチャーに書き込みが簡単に行えるため、画像に簡単にテキストを入れることができる。非公式やプライベートなコミュニケーション、SNS投稿や個人的なメモなら、これで十分なことがある。
Windowsでは、歴史的な経緯から複数の画面キャプチャー機能がある(表01)。キーボードショートカットで行える機能が5種、ハードウェアボタンから行える機能、アプリが2つ(Windows 10の場合、Windows 11では1つ)。いつでもマイクロソフトの画面キャプチャー機能は混乱している。
切り取り&スケッチ(Windows 11ではSnipping Toolsという名前)でキャプチャーを行うと、そのまま編集ができる。あるいは、Win+Shift+Sでキャプチャーしたあと、トースト通知が表示されるので、これをクリックするとキャプチャーした画像が切り取り&スケッチで開く。ここからファイルに書き込みや編集画像をクリップボードにコピーすることが可能だ。
Chromebookにも画面キャプチャー機能がある。起動方法は2つ。「Show Windows」ボタン(F5相当。長方形の右側に縦線2本のアイコン)を使い、Ctrlキーと同時押しで画面全体、Ctrl+Shiftキーでは、選択メニューが表示されて、範囲や動画キャプチャーが可能になる。これは初期からある機能なので、どのマシンでも有効だ。
もう1つの方法は、クイック設定(画面右下の時刻などがある領域をタップ)の「スクリーンキャプチャー」ボタンを使う。こちらは、Ctrl+Shift+「Show Windows」と同じく、キャプチャーメニューを表示する。これはChromeOS 89(2021年3月リリース)以降の機能だ。
Androidでは、原則、電源ボタンと音量小キーの同時押しで画面キャプチャーができる。ただし、メーカーにより、押している時間の許容値に違いがある。押しているとキャプチャーが行われるマシンもあれば、押して素早く離さないと、キャプチャーができない機種もある。また、メーカーにより、他のキーやジェスチャーを使う場合がある。Android Ver.11からは、画面下のタスクボタン(四角いボタン)から起動するタスクリストから画面キャプチャーが行える。
Chromebook、Androidでは、取り込んだ画像はファイルとして保存されるので、標準のフォトビューアーの編集機能で書き込みなどが可能だ。
国内だと、コンピュータの画面を画像データとして得ることを「画面キャプチャー」“Screen capture”と呼ぶことが多い。しかし、Google Trendで調べてみると世界的には“screenshot”(間にスペースが入らないスクリーンショット)のほうが、用例が多いようだ(写真01)。shotには“Photograph”という意味もあるので文字通り「画面写真」ということか。もっとも、思い通りに動かなくて画面を「撃ちたくなる」気持ちもわからないでもない。
今回のタイトル元ネタは、1969年の映画「明日に向かって撃て!」(原題 Butch Cassidy and the Sundance Kid)である。同映画は西部劇らしからぬ西部劇であり、後半、スキャットだけの音楽“South American Getaway”がほとんどセリフなしの映像に重ねられた部分が印象的。初回ロードショーではなく、リバイバル上映でみました(念のため)。