映画『余命10年』(3月4日公開)のジャパンプレミアが24日に都内で行われ、小松菜奈、坂口健太郎、山田裕貴、奈緒、黒木華、原日出子、松重豊、藤井道人監督が登場した。
同作は小坂流加による人気小説の実写化作。数万人に1人という不治の病で余命が10年であることを知った20歳の茉莉(小松)は、生きることに執着しないよう、恋だけは決してしないと心に決めていた。しかし地元の同窓会で和人(坂口)と出会い、茉莉の10年は大きく動いていく。
昨年の11月15日に俳優の菅田将暉との結婚を発表し、初の公の場に登場した小松。最初の挨拶では「今観てもらったばかりということで、どうだったかなとすごく気になってはいたんですけど、この話をいただいてから本当に……」と言葉に詰まり、涙。「本当に色んな物語があって。こうして完成できたこと、今ここに立っていることを本当に嬉しく思いますし、感無量というか」と語る。1年かけて10年の時間経過を撮影した同作について「生き続けたこの1年、映画『余命10年』がこれから沢山の人に届いてほしいと心から願ってます」とメッセージを贈った。
小松は「茉莉という役を演じ終えた後は、抜け殻状態だったというか、燃え尽きたなという気持ちがすごい大きくて、すぐに次の仕事に進めないくらい不思議な時間だった」と振り返る。「自分の人生と役の人生、本当に両方が重なって歩み続けて、今までにそういう役はなかったので、すごく大好きな現場でしたし、ここにいる皆さんと一緒に、一つの大切な作品を作れたことで自分にとってかけがえのないすごく宝物になりました」と思い入れを明かす。
悪化していく病状を表すためにずっと減量をしていたそうで、「この現場では常にお腹が鳴っていたんですけど、茉莉の苦しさだったり、いっぱいいっぱいになっちゃう気持ちだったりを自分も味わえて、役として昇華することができた」と語った小松。母親役の原は「みるみる痩せていって、見てて途中で心配になっちゃった」と涙ぐみ、奈緒も「プライベートでも仲良くしていただいてたので、減量もしながらすごく大変な役に真剣に向き合っている姿を隣で見ながら、仲間としてもずっと知ってる友達としても、本当にかっこいいなと思ってました」と目元を拭う。
さらに奈緒は「1年の中で、撮影中も自分自身がへこんじゃうこととかいろんなことがあって大変なのに、私自身すごく菜奈に相談したこともあったし、支えられたことがすごくあって。これだけ向き合ったみんなの時間が1本の映画にすごく詰まっているなと思ったので、観たときはいろんな気持ちが溢れてしまいました」と思いを吐露し、小松も再度涙を拭っていた。