エンディングの話:うえけんの「今そのゲーム!?」Vol.25(最終回)

by bgame

ゲームや映画にはエンディングがあり、マンガにも最終回があるものの、「第一部 完」と謳いながら、待てど暮らせど続きが始まらないというのもよくある話だ。どんな物にも終わりはあり、長らくお付き合い頂いた本作も今回で最終回ということに相成った。そこで今回は私こと上野がプレイして印象に残ったゲームのエンディングについてつらつらお話してみようと思う、いつもと同じ感じで。

なるべくネタバレはしない方向で行きたいとは心掛けるが、幾分のネタバレはあると思うので、そこはどうぞ飲み込んで欲しい。

30歳になってからテレビゲームに親しんだ私なのだが、「ファイナルファンタジーⅣ」でRPGの面白さを知り、続いて「ドラゴンクエストⅤ」をクリアし、次は何をプレイしようかと、限りある資金の中、どのゲームにしようか妻と二人、お互いに納得するソフトを選ぶべく真剣にファミコンショップ(スーパーファミコンからプレイステーションの時代に移り変わっても、『ファミコン』を冠するゲームショップは多かった)でソフトを吟味していたのだが、そこであるゲームのパッケージの裏に書かれている文言が目に入った。

「エンディングではきっと、さわやかな感動が待っている!」

それはSFCソフト「ファイナルファンタジーⅤ」だった。「Ⅳ」をプレイしたのだから「Ⅴ」をプレイするのは人として当然の行為と言えるだろうと、満場一致(2人)で決定し、その日から遊びまくったものだ。

ジョブシステムに伴うキャラクターの成長が楽しく、何回も繰り返される戦闘が苦にならないのは素晴らしい発明だ。あくまで個人的な感覚を言うと、「Ⅳ」ではわりと暗めシリアスな場面が多かったので、このシリーズはそういうノリなのだと思い込んでいたのだが、序盤から結構コミカルなので、そのギャップに驚かされたという一幕もあった。様々な困難を乗り越えた果てのエンディングは謳い文句の通り、実にさわやかなものだった。

PS2ソフト「7(セブン)~モールモースの騎兵隊~」は3×3のマス目の前列、中列、後列に配置した7人のメンバーをローテーションさせながら戦うシミュレーションゲームで、優しい味のあるグラフィックスだがシステムは中々硬派で手応えのある作品。プレイヤーは長い年月戦い続ける軍を率いるのだが、登場人物達は時間経過と共に能力が衰えてくので、若いメンバーと代替えしてゆく必要がある。強いメンバーが老いて行くのは何とももの悲しいし心が揺さぶられる。

エンディングはシルエットで描かれた登場人物達が粋な音楽に乗って軽やかにダンスを踊り、華やかなレビューを繰り広げるという物で、とてもおしゃれで強く印象に残っている。

次に紹介するのはPS2ソフト「九怨」は、平安時代のある屋敷を舞台にしたホラーアドベンチャーゲームだが、ホラーという題材が最大限に生かされている設定だということを思い知らされる。というのも、

平安時代の夜は真っ暗!

だからなのだ。唯一の照明は頼りないロウソクの灯りのみ、これは怖い! というわけでここから少しネタバレなのだが、全編通して暗闇が続く物語だが、事件が解決し、屋敷を後にし、大路に足を踏み出すと、そこは明るい太陽に照らされた広い世界が広がり、大勢の人々が行き交う。まるで「ファイナルファンタジーⅦ」で、ずっとミッドガルを巡っていた主人公達が初めてフィールドに出た時のよう(ゲームの例えをゲームで)で、それまでの閉塞感、緊張感から一気に解き放たれる良いエンディングだった。

最後に紹介するのはPSソフト「どこでもいっしょ」専用機器のポケットステーションと連動し、常にペットを連れて行ける点が画期的で、覚えさせた言葉を会話の中に織り交ぜてくるのだが、今ほど発達していないAIがとんちんかんな反応をするのがかえってプラスに働いたように思う。そんなちょっと間抜けで愛嬌のあるペットも、ある一定の期日を過ごすと、突然旅立ってしまう。主のいなくなった部屋の佇まいが何とも侘しく感じられ(ところで佇と侘ってそっくり)ゲームでこんな感情になるのかと驚いたものだ。

終わりはいつも一抹の寂しさがあるが、人生は続いてゆくので、またどこかでお目にかかることもあるだろう。この場を与えて下さった、エンガジェット日本語版スタッフの皆様とお読み下さった読者の皆様に感謝致します。

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