「エルデンリング」は死にゲーだけど心が折れにくい「優しさ」があるから嵌っちゃうんです

by bgame

毎月、様々なタイトルのゲームをプレイする筆者ですが、「エルデンリング」(PlayStation 4/PlayStation 5/Xbox One/Xbox Series X/PC)が発売されてからは、他のゲームを一切触らずにひたすらプレイしています。

「エルデンリング」は2月25日にリリースされたアクションRPGで、全世界で1200万本を売り上げるほど人気を博しているタイトル。広大なフィールドを舞台にしたオープンワールドゲームでありながら、「死にゲー」とも呼ばれる非常に高い難易度のタイトルとなっています。

ボリュームも凄まじく、公式によるとストーリーをクリアするだけならば30時間程度とのことですが、ダンジョンやNPCイベントなどの寄り道要素が膨大。実際、筆者は1週目の時点で既に200時間をプレイしており、ようやく終盤に差し掛かりました(それでもまだ放置しているイベントがたくさん存在します)。

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ELDEN RING | エルデンリング

■探索したくなる仕組みがたくさん

フロムソフトウェアが開発した本作ですが、「ダークソウル」や「ブラッドボーン」といった同社のタイトルをプレイしたことのある筆者でも、何度もリトライするほどの難易度で、かなりのやり応えを感じています。また、マップは「ソウル」シリーズとは比べ物にならないくらい広大で、探索しきることができるのか、不安に感じてしまうほどです。

そんな本作ですが、探索したくなったり、いくら死んでも心が折れないような仕組みがしっかりと存在し、それが中毒性を生んでいます。例えば、すでにSNSやメディアでも取り上げられ話題になっている序盤のボス「ツリーガード」と「忌み鬼、マルギット」には、低レベルで挑むと瞬殺されてしまいます。だからこそ、プレイヤーは「こいつから逃げて、レベル上げのために探索してみよう」と考え、広大なフィールドを探索することになります。

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チュートリアルを終えると、すぐに広大なフィールドに

筆者も、ゲーム開始時に「ツリーガード」に挑み、相手の攻撃が掠るだけで瀕死になる恐怖に耐えかね逃亡。周囲にいる雑魚敵やダンジョンに挑んでレベル上げ&装備の確保に勤しみました。その雑魚敵もかなりの強さなので、「稼ぎ」といいつつ返り討ちにあうこともざらなのですが(笑)

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皆一度は挑んで即敗北する「ツリーガード」
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最初のストーリーボス「忌み鬼マルギット」に苦戦した人も多いはず

広大なマップには様々な敵がいますし、ダンジョンだけでなく装備やイベントなどが隠されているので、レベル上げのために寄り道を始めたはずが、ついついボスを倒すという目的を忘れてしまいがちです。

結局筆者は、探索に3~4日ほどかけた後、我に返ってツリーガードに挑み勝利。続く「マルギット」戦でも一度諦めて逃亡し、周囲のエリアを一通り見終わったと感じたら再トライ、何度かボコボコにされつつ倒すことができました。こんな風に、ボスが強いからこそ、探索をしたくなる仕組みは高難易度ゲーならではだと感じます。

他にも、ほとんどのダンジョンは入口に祝福(回復&ファスとトラベルポイント)があり、そのすぐ先にボス部屋があることがほとんどです。ただしボス部屋の扉はしまっており、ダンジョンの奥にあるギミックを解除することで開く仕組みになっています。

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ダンジョン開始時の祝福は癒し

多くのRPGでは、ダンジョンの奥にボスがいるため、倒せないとレベル上げのために外に出て、もう一度ダンジョンに挑まなければいけません。しかし、本作では一度ギミックを解いてしまえば、外に出てもファストトラベルで戻り、すぐにボスと再戦することができるので、気軽に探索をしてマップを広げたり、別のダンジョンに挑んだりしながらレベル上げをすることが可能です。

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序盤は関所前などでレベルを上げていましたが、序盤の敵でも複数人に絡まれると死が見えます

■マップの探索もノンストレス

広大なマップを探索するにあたって、マップやコンパス、マップピンといった機能といったオープンワールドには欠かせない機能はしっかり実装されています。更にストーリーの進行に必要な場所を指してくれるシステムがあるので、長時間の寄り道を終えてもすぐに本筋に戻ることができるので、心置きなく探索が可能です。なにより、最序盤から馬を貰うことができ、すぐに広大なフィールドを自由に駆け回れたことには感動しました。

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最序盤から馬が手に入るので、移動には苦労しません

戦闘面も盾で受けてカウンターを決める「シールドカウンター」や、ゲージを使用して使用する「戦技」、共に戦ってくれる霊体を召喚する「遺灰」などの新システムが追加され、攻略の幅が広がりました。特に「遺灰」は、ボス戦などの難所で囮となり、敵の攻撃を受けてくれる優れモノで、初心者にとってかなりの助けになってくれます。

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「エルデンリング」はソウルシリーズに比べてチュートリアルが充実しており遊びやすくなっています
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難所は遺灰で強引に突破することも可能です

一方、敵の攻撃モーションに溜め時間があるものが多く、タイミングを掴み辛いため、これまでとても重だったローリング回避や、敵の攻撃をタイミングよく弾く「パリィ」は少し難しくなった印象です。また、本作からダッシュ中でなくともジャンプができるようになり、ジャンプ回避や、空中攻撃が攻略のカギを握ることもあり、筆者のようなソウルシリーズ経験者でも新鮮な戦闘を楽しむことができます(それは経験者でも何度も死ぬことを意味していますが……)。

「フロム作品といえばパリィだ!」と思っていた筆者は、序盤にパリィを試みてダメージを受けまくっていましたが、ガードカウンターの強さを知ってからは、同じ盾を持っていても戦略がぐっと広がりました(中盤にパリィに関する戦技が手に入ってからは、結局そればかり使ってしまったのですが……)。

■攻略の幅が広く、誰かのプレイを見るのが楽しい

本作はビルドの幅も広く、様々なステータス振りと装備で冒険をすることができます。また、装備は特殊なものを除いて戦技の付け替えも可能で、これまで以上に自由に武器をカスタマイズして攻略を楽しめます。

これは筆者の持論ですが、「エルデンリング」の自由度を実感できるのは、やはり自分と誰かのプレイを見比べた時ではないでしょうか。筆者は「技術」のステータスに振った剣士ビルドで近接戦闘をしていましたが、友人は魔法オンリーで戦うビルドで、雑魚的に向かって容赦なくビームを放っていました。他にも、YouTubeで動画を検索してみると、ドラゴンに変身してブレスを吐いていたり、両手に盾を持ち敵に突貫していたりと、同じゲームとは思えないほど違った戦術をとっている人ばかりで驚かされました。

ビルドだけでなく、プレイスタイルや攻略の順番が皆異なってくるのも面白いポイント。筆者はなるべく低レベルでボスに挑み、ぎりぎりで勝ちたい派ですが、友人はレベルを上げ続けてボスを瞬殺していたり。動画投稿者の中には最初のボスは無視して中盤のボスを倒してしまったという動画投稿者の方もいました。

こんな風に、同じゲームを遊んでいるのに、全く違うプレイングをしているのを見るのは「こんな攻略法があったのか」と思えて楽しいですし、まだ一週目をクリアしていないのにも関わらず「二週目はこんなビルドにするか……」と将来へのモチベーションにもなります。それを可能にしている「エルデンリング」の自由度の高さには感服します。

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飛び道具も魔法や信仰、弓など複数種が存在し、ステータスに合わせて選択が可能です

因みに筆者は、Discordのサーバーで友人と集まってプレイしています。そこでは画面共有等はほとんどせず、全員がそれぞれの「エルデンリング」をプレイしながら「エルデンリング」について話す、不思議な空間となっています。最初のうちは「どこが難しかった」「あそこに武器がある」などの情報を共有していたのですが、全員がビルドも攻略順も違うので、だんだん話が合わなくなってきました。自分が苦戦したボスを、ある友人は数秒で撃破していたりするんですよね(笑)。

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筆者が最も印象に残っているボスは「坩堝の騎士」。序盤から戦えるのに非常に強く、終盤にも登場する強敵です

トークはかみ合いませんが、友人と通話を繋ぎながらのプレイは、画面の向こうに自分と同じように苦戦している人がいるというだけで勇気を貰えます。お互いの悲鳴や、歓喜の声を聞きながらプレイすると、とても安心するので、心が折れやすい人にはオススメです。といいつつ、筆者は集中したいときには容赦なくスピーカーミュートにするのですが……。

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ソロでプレイしているときは、オンラインメッセージに癒されながらプレイしています

このように「エルデンリング」は自由度が非常に高く、プレイヤーの数だけ楽しみ方がある名作ゲーです。難しいゲームなのは間違いないですが、難所を突破した時の達感はひとしお。前述した通り、心が折れない仕組みもたくさんあるので、一人でも多くの方に挑戦して欲しいです! ただ、嵌りすぎると筆者のように生活が崩壊するので、そこだけはご注意ください……。

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