ミッション形式で一味違うサバイバルゲーム「ICARUS サバイブイカルス」レビュー

by bgame

engadget

今年は2月に「Valheim」がヒットし、「ARK:Survival Evolved」では新マップが追加されたり、と思えば結局マインクラフトに戻ったり……。筆者は今年も多くのクラフトやサバイバル要素を持ったゲームをプレイしました。バイキングになってトロルと戦ったり、恐竜に乗って大地を駆け回った一年でしたが、その締めくくりとして、12月8日に発売されたPC向けサバイバルゲーム「ICARUS サバイブイカルス(以下、ICARUS)」が話題になっていたのでプレイしてみました。

本作はゾンビサバイバルゲームの「DayZ」を手がけたプロデューサーが率いるチームによる開発さてた最大8人でのオンラインプレイが可能なサバイバルゲーム。テラフォーミングに失敗した惑星を舞台にしたSF作品で、サバイバルゲームでありながら。時間制限のあるミッション形式を導入していることが特徴です。これにより、今までのサバイバルゲームとはまた違った面白さを感じることができたので、早速紹介していきたいと思います。

「ICARUS サバイブイカルス」(Steam)通常版:3090円

■自然豊かな惑星を舞台としたSFサバイバル

本先の舞台となる惑星「ICARUS」は、第二の地球としてテラフォーミング計画が進められていた惑星でした。しかし、空気が有毒化してしまい計画は頓挫してしまいます。その後、テラフォーミングが失敗した原因となる物質を求め、ゴールドラッシュさながらの状況に。プレイヤーは探鉱者(プロスペクター)となり、様々な派閥・組織から依頼を受け、驚異の排除や資源の入手といったミッションに挑むこととなります。

ミッションには制限時間が設定されており、時間内にミッションをクリアしなければなりません。また、ミッション終了後は宇宙ステーションに帰還する必要があります。宇宙ステーションでは新たな装備の研究・開発を行なえますが、惑星で行なった建築などの活動はリセットされてしまいます。

舞台となる惑星は自然豊かで、森林や雪山など、様々な環境が広がっています。空気は有害ですが、適応した遺伝子改良生物や植物は存在しており、木や石を拾って建材に使用したり、動物を狩って食料にしつつ、ミッションのクリアを目指すこととなります。

engadget
一見すると地球と同じような環境が広がっていますが、空気が有害で、未知の生物も存在する危険な場所です

■サバイバル要素はシンプル。食料は狩りで確保、熊からは逃げよう

サバイバル要素は多くのゲームと共通する部分が多く、生き残るのに必要な食料の確保・建築やアイテムの制作を行いながら経験値を稼ぎ、レベルアップで設計図を解禁していく、という大まかな流れはこの手のゲームをプレイしたことのある人にとってはお馴染みのはず。とはいえ、狩りの難易度は中々高く、序盤から凶悪な熊に襲われることもあり、序盤から気の抜けないサバイバル生活が始まります。

水は水源から得られますが、食料は木の実を採取するだけでは足りないので、マップ上にいる鹿や兎といった動物を弓で狩る必要があります。動物はこちらが近づくと逃げてしまうので、しゃがんでステルスしながら近づき、頭を狙い撃たなければいけません。本作ではヘッドショットのダメージ倍率が高く、ステルスボーナスも乗るので、熊などの大型動物でなければステルス+ヘッドショットならば一撃でしとめることができます。

engadget
酸素はオキサイド鉱石から入手することが可能。道中に点在するので掘って見かけたら掘っておきましょう
engadget
序盤の狩りは槍がお供。それなりに遠くの獲物も狙えるので、積極的に狙っていきましょう

注意したいのが肉食獣の存在。狼や熊といった獣は、こちらに気付くと襲い掛かってくるので覚悟して挑みましょう。因みに、狼は頭を狙えば倒せますが、序盤で熊に襲われたらひとたまりもないので、熊の鳴き声が聞こえたら周囲を確認しつつ、ステルスでその場を離れる判断も大切です。尚、泳ぐ速度は熊よりこちらの方が早いので、水中に入ってしまえば逃げながら弓で打って倒すなんてことも可能です。肉食獣は毛皮や経験値を多めにくれるので、慣れてきたら積極的に狩っていきましょう。

engadget
序盤の熊=死。銃を手に入れるまでは基本的にステルスでやり過ごすといいでしょう

■自然の脅威と戦いながらクラフト

さて、狩りと並行して行ないたい拠点作りですが、そもそも建材の制作や、資材を集めるためのアイテムをクラフトするには設計図を解禁しておく必要があります。

本作では、レベルアップをすることで「テックツリー」と「タレント」という2つのツリーにそれぞれポイントを振ることができます。「テックツリー」では新たな設計図を解禁でき、「タレント」では自身を強化できます。狩りに必要な弓も、テックツリーにポイントを降って設計図を解禁しなければ使用することができません。幸い経験値はアイテムの採集や狩り、アイテムクラフトなど様々な行動で得ることが可能なので、どんどん行動して、自分のレベルをあげていきましょう。

engadget
テックツリーでは設計図を解禁できます。今何が必要なのかを考えながら、無駄のないように振っていきましょう
engadget
タレントはサバイバルや戦闘といった要素毎に分かれており、どこに割り振るかでプレイスタイルが変わります。マルチプレイでは友達と異なる降り方をするといいでしょう。尚、ソロプレイ向きのタレントも存在します

上述した肉食獣、特に熊は驚異ですが、他にも夜は本当に真っ暗で先が見えない(設定で画面を明るくすることも不可能)ので、夜行動するには松明等の灯りは必須です。また、嵐が来て木が倒れたり、雷が落ち山火事が発生することもあります。雷が自分の建築した家に落ちたら、容赦なく燃えてなくなってしまい、喪失感に苛まれることも……。

engadget
本作の夜は本当に暗く、灯りがないとかなり危険です
engadget
雷が落ちたことで山火事が発生。森が燃え、木材の拠点も消失することに……

他にも雪山に行けば体温が低下するだけでなく、北極熊に襲われたり、洞窟内ではワーム系のクリーチャーに襲われます。死亡した際にはアイテムドロップ&経験値ロストというペナルティも課されるので、なるべく死なないように立ち回ることが大切です。

engadget
洞窟内は鉱石がありますが……
engadget
同時に未知のクリーチャーも存在します。遠距離から攻撃してくるので注意が必要です

レベルが上がり、寒さを凌げる毛皮の服や、金属を加工して銃をクラフトすることができるようになれば、危険な場所に足を運んで貴重な資源を入手したり、壊れ辛い拠点をかまえることも可能になります。それでも拠点の外に出ると危険な場所は存在しますし、高難易度のミッションとなれば尚更です。どんなにレベルが上がっても(ソロプレイでは特に)周囲に気を配って探索をしましょう。

engadget
ゲーム序盤、嵐を凌ぎたい場合は石を掘って無理やりシェルターにすることも可能。テックツリーのポイントの節約にも繋がるテクニックです

■ミッションで変わる「サバイバル」

どんなにレベルをあげ、強力な装備をつくり、強固な拠点をかまえても、本作ではミッション終了時に手持ちのアイテムや、惑星上の建築物はリセットされてしまいます。もちろん、解禁した設計図やタレントはリセットされないので、レベルを上げれば上げるほど、ミッション開始時のサバイバルは楽になっていきますし、ミッションクリア報酬を使用して研究を進めていけば、ミッションに持ち込むことができるアイテムを研究することが可能です。

それでも、新たなミッションを開始した場合はもう一度、木や石から素材を集め、拠点を作り、食料を確保する必要が出てきます。前回のミッションで銃を装備していても、次のミッションでは弓から作る必要があったり、木の拠点からやり直さないといけなかったりすつため、この手のゲームにありがちな「装備や拠点がが揃ってしまってサバイバルが簡単・やるべきことがない」状態に陥り辛くなっています。

engadget
宇宙ステーションに戻ってゲーム内通貨で研究を進めれば、次のミッションで持ち込めるアイテムを制作することが可能

また、ミッションの内容によっては、マップの様々な場所へ移動しながら目的を達成するもや、危険なエネミーを積極的に倒す必要のあるミッションもあり、ミッションに合わせた行動が求められる他、ミッション毎に設定されている制限時間(通常リアル時間で1日~1週間程度)を気にしながらプレイする必要があります。

尚、制限時間内に宇宙ステーションに戻れなかった場合、キャラロストとなるので時間には特に注意が必要です。ロストに関しては、ミッションの成否は問わないので、時間が足りないと思ったらミッションの達成を諦めてステーションへ帰還しましょう。

こんな風に、本作はミッションの存在がサバイバルをより際立たせていいる作品となっています。サバイバルゲームが好きな人にはオススメですが、火災などで簡単に建築物を失ってしまうので、建築メインのプレイは厳しく感じました。サバイバル生活をするにあたって雨風を凌ぐためにシェルターを建設し、夜を過ごすためにベッドを立てるといった、「サバイバルのために建築する」ゲームだといってもいいでしょう(建築好きな人のための安全+時間制限なしのモードも存在しています)。

一方、餓死の恐怖や、危険な肉食獣やクリーチャーとの遭遇、資源のやりくりといったサバイバルゲームならではの面白さは、上述したようにミッションの存在によって際立っているので、ハードなサバイバルを求めている方には是非プレイしてほしい作品です。

■最大8人でのマルチプレイは、ホストに縛られないプレイが可能

尚、本作は8人でのマルチプレイが可能。本作のマルチプレイは、最初にミッションを開始したホストがいなくても、他のプレイヤーがホストとなってミッションを再開可能となっています。特定のホストがいなくてもゲームを進められるので、無理やり友人と時間を合わせる必要がなく、気軽にマルチプレイを開始することができます。

また、ミッション毎に環境がリセットされるシステムは、「仕事や学校からかえって来たら、休みだった友人が巨大建築を建てていた・文明を進めすぎていた」というオンラインプレイにおいて筆者が萎えやすい現象を回避できるのもポイントでした。

本作はリリース時はバグが多く、翻訳も不十分でしたが、既に数回のアップデートが行なわれ、改善がされてきました。キャラクターリセットができなかったり、ミッション毎にリセットされるのに要求される資材がやや多く感じたりと、まだ粗削りな部分も多い本作ですが、こちらも今後のアップデートで改善されることを期待したいです。

「ICARUS サバイブイカルス」(Steam)通常版:3090円

(C)2021 RocketWerkz Studio Limited

Related Posts

Leave a Comment