孤独だが心優しい男が“悪のカリスマ”へと変貌を遂げていくドラマを、アカデミー賞常連の実力派スタッフ・キャストで描き、社会現象を巻き起こした映画『ジョーカー』(2019)の最新作にして完結編となる『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』通称「ジョーカー2」が公開中だ。本作でジョーカーの前に突然現れる謎の女・リーを演じたレディー・ガガが、本作出演について語った。
『ジョーカー2』出演に喜び「物語の続きを任せてもらえて本当に光栄」
ジョーカーになった男のその後が描かれる本作。理不尽な世の中の代弁者として時代の寵児となったジョーカー(ホアキン・フェニックス)は、彼の前に突然現れた謎の女リー(レディー・ガガ)とともに、狂乱が世界へ伝播していく。孤独で心優しかった男の暴走の行方とは――。
もともと前作『ジョーカー』が大好きだったというガガ。「『ジョーカー』で私が感銘を受けたのは、あのキャラクターにホアキンが与えた深みでした。今でもあの映画を観ますし、あのキャラクターにとても感情移入するので、泣きたくなってしまうんです」と作品の魅力を述べ、本作への出演オファーを受けたときの心境を「この物語の続きを任せてもらえて本当に光栄に思いました」と振り返る。
そして、リー役を作り上げていくことにとてもやりがいを感じたと語る。
「私はただ、彼女をできるだけリアルにして、この物語に沿って彼女の魂を作り上げたかったんです。それと、ジョーカーとアーサー・フレックに釣り合った人を見つけることでした。なぜなら、この映画では、ジョーカーはアーサー・フレックでもあるからです。彼女を作り上げることはとても楽しかったし、また、チャレンジでもありました」
ホアキンと息の合った演技を披露しているが、「実は一度も、私たちはシーンのリハーサルはせず、すぐに撮影に入りました。だからすべてがとても生(ありのまま)で、とても新鮮でした。でも、シーンについて話しました。私たちがお互いに言うことを話し合ったんです」と明かした。
また、女優業について「とても自信を持っています」と胸を張り、「なぜなら多分、私がキャリア全体でアルバムを通してキャラクターを創造してきたからだと思います。そして、私は小さい頃から演技もしていました。だから、私にとって、それは重力を変えて毎回新しい世界を創造することなんです」と説明。
「リーの世界は、私がステージにいるときとはまったく異なります。ですがまた、私のパフォーマンスは、常に私のストーリーや経験と結びついていて、それは通常、夢と結びついています。そして、そういったことは多くの点で、演技しているときと非常に似ていると思います」と語った。
ジョーカーのようなピエロのメイクにも挑戦したガガは、「いつもステージでメイクの実験をしている私でさえ、本当に強烈でした」と振り返る。
「私は彼女にたくさんの意味を込めていたので、そのメイクが何を意味するのか分かっていました。それは彼から派生したものなんです。だから私にとって、リーのメイクは彼への執着から来ているんです。そして、『自分自身を発見しながらも、その全て(メイクをすること)に完全に夢中になっているのはどんな感じだろう?』となっていました。それと、ジョーカーにメイクを施すのもとても楽しかったです。あのシーンはパワフルだと感じていました。自分が幸せになるために、彼女は、彼が強くなると感じるものを武器にするんです」
そして、リーを演じたことは、今後の自身のキャリアにも影響を与えていくと断言。
「すでにそうなっています。私がクリエイトしたキャラクターはすべて、私の音楽に影響を与えます。なぜなら、それはすべて一つのものだからです。私は、自分が作ったものがセクションやコンパートメントに分けられたり、ブランド化されなければならないと考える人間ではありません。実際、それらを衝突させるのは本当に楽しいと思います。そういったことをする人たちは、(アートの)歴史の中でも私のお気に入りのアーティストたちで、彼らの作品を見ると『ああ、それらは彼らが前にやったこのことにまだ影響を受けていて、そして、こんなことが起きた』と思い、いつも私を興奮させてくれます」と語っていた。
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