新潟・燕三条に本社を構えるツインバード工業が、創業70周年を機にしたリブランディングと、キッチン家電の新製品「スチームオーブンレンジ」の発表会を開催しました。本格的なせいろ蒸しを再現した「スチームオーブンレンジ(DR-F871W)は1月14日発売予定。価格はオープン、推定市場価格は49,800円です。
ロゴを刷新、2つのブランドラインが誕生
ツインバード工業は、2021年に創業70周年を迎えるにあたり、企業として提供する価値や製品開発の考え方を明確に伝えるため、新しいブランドプロミス「心にささるものだけを。」を策定。それにともない、コーポレートロゴも刷新しました。
消費者向けの製品には、2つのブランドラインを新設。ものづくりの街「燕三条」発のブランドであることと、「本質的に価値ある家電を追求する」という同社の思いを伝えるべく、「Takumi Premium(タクミ プレミアム)」と「Kando Simple(カンドウ シンプル)」という2つです。
Takumi Premiumは、「匠の技を、おうちで好きなだけ味わう」を実現したもの。代表的な製品は、コーヒーのレジェントとされる「カフェ・バッハ」の田口護氏が監修した全自動コーヒーメーカー。匠にしか到達できない技を家庭で楽しめる家電です。
もうひとつのKando Simpleは、名前の通りシンプルなデザインや機能設計として、「自分の生活に本当に必要なものの本質を見極めた」ベーシックラインです。
上下のWスチームで食材を包んでふっくら仕上げる「スチームオーブンレンジ」
リブランド後の第1弾として今回発表したのが、Kando Simpleラインのスチームオーブンレンジ(DR-F871W)です。従来、庫内の食材に上からのみ当てていたスチームが、上下から吹き出すようになっています。
庫内に噴出したスチームによって、食材を上下から包む込むように蒸し上げるように調理できるのが最大の特徴です。開発ではスチームの当たり方を見直し、上の噴出口から出たスチームが食品の上から包みます。さらに下の噴出口から出るスチームが、庫内の下側でワイドに吹き出します。吹き出し口と反対側の壁に当たって内側に回り込むため、まるでせいろ蒸しのように、食材を蒸気で包み込むというわけです。
スチームの温度は65℃~100℃に設定できるため、サラダチキンのように低めの温度で加熱して仕上げる調理も可能です。スチームで調理すると食材から水分が逃げないので、しっとりと蒸し上がります。温泉卵もきれいに作れるそうです。
付属のレシピブックで調理時間をみると、「基本のサラダチキン」なら65℃設定で1時間30分、「胡麻豆腐茶碗蒸し」は90℃で約30分間でした。すばやく仕上げるというよりは、時間がかかってもスチームでじっくり調理する使い方の調理家電といえます。
買ってきた肉まんなどを温める場合は、蒸し器で温める時間を参考にすればOKです。過熱水蒸気は非搭載です(オーブン調理にスチームは使いません)。スチームを使う調理は「四角い電気式のせいろ」とイメージすると、使い方のアイデアが広がるのではないでしょうか。
庫内容量は23L、本体サイズはW470×D400×H345mm。オートモードは、あたため・解凍・飲みもの・冷凍食品、調理方法モードは、蒸す・低温調理・煮込む・揚げるがあります。
ワクチン運搬用のディープフリーザーはツインバード製品
話題が戻りますが、ツインバードのブランドプロミスには「燕三条に根ざしてきた300人の会社です」という言葉があります。ツインバードが手がけるアイテムには、燕三条地域の職人との協力によって量産化できたものが複数あるんだとか。その中の1つが、新型コロナウイルスワクチンの運搬に使用される、超低温を維持するコンパクトな冷凍庫「ディープフリーザー」です。
スチームオーブンレンジのような身近なアイテムから、医療用の専門的な冷凍庫まで幅広く作ってしまうツインバードは、確かな技術力を強みとするメーカー。今後も、新しいブランドのTakumi PremiumとKando Simpleから、それぞれどんな製品が発売されるのか楽しみです。