富士キメラ総研は23日、世界市場におけるスマートフォンとキーデバイスの調査結果を「2018 次世代スマートフォンとキーデバイス市場の将来展望」としてまとめ、その一部を公表した。2022年までを予測したものとなるが、スマートフォンデバイス市場の伸びは緩やかになりそうだ。
スマホ市場の伸びは緩やかに
世界のスマートフォン市場について、先進国を中心に買い替え需要が中心になってきており、市場の成長率が鈍化していくことを予想。ここ数年、市場を牽引してきた中国での需要拡大もひと段落し、中国ではローエンドから高機能端末への買い替えにシフトして、買い替えサイクルの長期化が進展すると見られている。中国を除うアジア、中東や中南米、アフリカでの伸びが予測されるものの、世界全体では年率2%増の低成長を予測している。
5Gの本格導入による市場拡大については、まだ先と見ているようだ。5G対応スマートフォンの市場投入は最速で2019年前半と予想。しかし、Sub6帯域に対応した製品であり、ミリ波帯域の対応製品は最速で2019年後半から2020年と予想している。導入当初はLTEと分離したスタンドアロン対応となり、各社のフラッグシップモデルへの搭載が予測されている。2022年まではコストなどの観点から、ハイエンドおよびフラッグシップモデルへの搭載にとどまり、2022年時点では5G対応スマホは世界で3億1000万台と全体の2割弱と予想している。
フィーチャーフォンに関しては、市場の縮小が続くが、最低限の通信手段として、この先も残り続けると予測している。
カメラとディスプレイの今後の傾向
スマートフォン、フィーチャーフォン向けキーデバイスの世界市場は、カメラとディスプレイに分けて調査結果を公表。
小型カメラモジュール(イメージセンサー、レンズユニット、光学フィルター)市場は、スマートフォン需要の伸び鈍化を受けて、緩やかな伸びが予測される。2017年はスマートフォン需要の伸び悩みと小型カメラモジュールの単価下落からマイナス成長を記録。しかし、今後はイメージセンサーやレンズユニットの構成デバイス数を2倍にするデュアルカメラの普及に注目。この普及により、平均単価の維持と市場の微増推移を予測している。2017年は1兆6616億円なのに対し、2022年には2017年比8%増の1兆7950億円に広がると見ている。
ディスプレイは2017年が5兆5178億円、2022年には2017年比9.8%増の6兆609億円と予想する。2019年以降にLG DisplayやBOE、Tianmaなどの後発メーカーがOLEDの出荷数量を拡大させ、そのことが単価の下落を進め、スマートフォンでの採用が進むと見ている。