米Appleは3月24日(現地時間)、USB-Cを搭載するハイエンドヘッドホン「AirPods Max」で、有線接続によるロスレスオーディオ再生および超低レイテンシ(遅延)オーディオをサポートすることを発表した。4月にリリース予定の「iOS 18.4」「iPadOS 18.4」「macOS Sequoia 15.4」アップデートで利用可能となる。

これは音質と制作環境の両面で、AirPods Maxを一段上の次元へと引き上げるアップデートになる。音楽ファンには、アーティストの意図を細部まで感じ取れる高品位な鑑賞体験を、クリエイターにはプロ仕様のツールとして活用できる新たな選択肢をもたらす。

AirPods Maxは、Lightningモデルでは「Lightning – 3.5 mmオーディオケーブル」を用いて有線接続が可能だったが、アナログ/デジタル変換が介在した。また、2024年9月に登場した最新のUSB-Cモデルではこれまで有線接続を利用できなかった。

今回のアップデートにより、付属のUSB-Cケーブルを使った有線接続が可能になり、24ビット/48kHzのロスレスオーディオ再生が可能になる。ロスレスオーディオは、音声データの圧縮による情報損失がなく、録音時の原音のままの最高品質のサウンドを体験できる。Appleは、ロスレスオーディオサポートをパーソナライズされた空間オーディオにも拡張する。空間オーディオは、音を3次元空間内に配置することで、没入間のあるリスニング体験を提供する技術であり、今回の拡張により、音響的に正確で臨場感あふれる体験を楽しめるようになる。

データの圧縮と展開を伴う一般的なデジタルオーディオでは、音質の劣化のほか、遅延も発生しやすい。ワイヤレス環境ではワイヤレス通信の影響も受ける。音楽制作やゲーム、ライブ配信などのリアルタイム性が求められる場面では、この遅延が問題となるが、有線接続による超低遅延への対応により、音のズレを気にすることなく、快適にゲームプレイや配信を行えるようになる。

AirPods Max(USB-Cモデル)は、ミッドナイト、スターライト、ブルー、パープル、オレンジの5色展開で、価格は84,800円(税込)。

Appleはまた、「USB-C – 3.5mmオーディオケーブル(1.2m)」を新たに発売した。USB-C搭載のAirPods MaxやBeats Studio Proを3.5mm端子対応のオーディオ出力ポートに接続できる。価格は6,480円(同)。