富士フイルムは1月21日、チェキシリーズのインスタントカメラ「instax WIDE Evo」を発表した。一般的なカードサイズのチェキフィルムの2倍の大きさのワイドフォーマットフィルムに対応し、背面液晶を見ながら撮影できるデジタル処理モデル。撮影時、さまざまなエフェクトやフィルムスタイルを設定することで光の入り方や色を変え、好みの表現に仕上げて撮影できるのが特徴。インフルエンサーなどが撮影に用いた設定をスマホアプリ経由でカメラに保存し、自分で撮影する写真に適用できる仕組みも用意した。自分だけの表現で撮影を楽しみたい20~30代の男性層を中心に売り込む。

価格はオープンで、予想実売価格は55,000円前後。発売は2月6日。

  • 光や色を操って自分だけの表現を楽しむ機能を充実させた、ワイドフォーマットフィルム対応のインスタントカメラ「instax WIDE Evo」。予想実売価格は55,000円前後と、チェキシリーズのインスタントカメラとしてはひときわ高価だ

クラシック調のデザインに仕上げたワイドフォーマットフィルム対応カメラ。アナログ処理ではなくデジタル処理で撮影・プリントする方式で、気に入った写真を何枚もプリントしたり、スマホ内の写真を転送してプリントできる。

  • ロングセラーとなったinstax Evoとはまた異なる上質なデザインに仕上げた。ワイドフォーマットフィルム対応なので、本体はかなり大きい

  • 背面に大型液晶パネルを搭載。上部からフィルムが排出される

instax WIDE Evoの特徴の1つが、画像処理で加えるエフェクト機能を充実させ、自分だけの表現で撮影できるようにしたこと。「マゼンタ」「モノクロ」など10種類のフィルムエフェクトと、「光漏れ」「カラーグラデーション」など10種類のレンズエフェクトを掛け合わせられ、さらにレンズ周囲のリングで「度合い」を調整すれば、光の入り方や色のグラデーションなどの強弱を細かく調整でき、思いのままの表現で撮影できる。これらのエフェクトは撮影時のみ適用でき、撮影済み写真には適用できない。

  • 液晶パネルの左右にダイヤルを用意し、それぞれでフィルムエフェクトとレンズエフェクトを調整できる

  • レンズエフェクトで光の入り具合をアレンジできる

  • フィルムエフェクトで色の表現をアレンジできる

  • レンズ周囲のリングで、エフェクトの強弱を100段階で調整できる

  • フィルム独自の枠を加えるフィルムスタイルも適用できる

  • こちらは35mmフィルムのパーフォレーションを模したフィルムスタイルを適用したもの

  • 光がビーム状に写り込んだエフェクトを適用した作例。うっかり感光してしまったような表現が若い層には好まれる

  • こちらは二重露光のエフェクトを適用した作例

レンズは35mm判換算で16mm相当の超広角だが、カメラ前面のスイッチで使いやすい標準域の画角に切り替えられる。撮影可能距離は10cm~∞で、テーブルフォトも楽しめる。シャッターは前面にあるレバーで、レバーの半押しでAF動作、全押しで撮影できる。AFは顔認識AFにも対応する。

  • 画角切り替えのスイッチ

  • シャッターは丸いボタンではなく、押し下げ式のレバーとなっている

撮影した写真は、側面にあるフィルム巻き上げレバーを模したレバーを回転させることでプリントできる。

  • 側面のレバーをぐるぐると巻き上げるとプリントが始まる

専用のスマホアプリを利用すれば、スマホに保存した写真をプリントできるほか、instax WIDE Evoで撮影した写真をスマホに転送できる。注目できるのが、スマホアプリ内の「Discover Feed」という機能。instax WIDE Evoユーザーが撮影した写真が一覧で閲覧でき、どのようなエフェクトを用いて撮影したかのデータも表示される。気に入ったエフェクトのデータはスマホアプリ経由で自分のinstax WIDE Evoに転送し、自分の撮影時に適用できる。

  • Discover Feedでは、ユーザーが投稿した写真がデータ付きで表示される。撮影データをダウンロードした回数が表示され、投稿者の励みになりそう

無線機能はBluetooth 5.1で、ディスプレイサイズは3.5インチ。本体サイズはW138.7×D125×H62.8mm(突起部除く)、重さは約490g(フィルムカートリッジ、記録メディア、レンズキャップ含まず)。

  • 富士フイルムでカメラ事業を統括するイメージングソリューション事業部長の山元正人氏