1983年4月に登場した伝説のオリジン、初代G-SHOCK「DW-5000C」。開発者伊部菊雄氏の「落としても壊れない時計をつくりたい」という思いから誕生した。

そのきっかけは父親からもらった腕時計を落として壊してしまったことだった。開発当初に想定にしていたユーザーは工事現場で働く作業員。ハンマーや削岩機などを扱うハードな環境下で、作業員が腕時計を着けていなかったことに気づき、工事現場でも使える時計を作ろうと考えた。200を超える試作を繰り返し、約2年の歳月を経て「DW-5000C」が完成し、腕時計は壊れやすいデリケートな精密機器という常識を覆した。その後もG-SHOCKは、陸海空さまざまな環境下でも耐えられる究極のタフネスを追求し、プロからも認められ、腕時計の使用シーンを大きく拡大させている。

そんな「DW-5000C」が2024年12月、ブランド誕生から40年を迎え「DW-5000R」として復刻。今まで発売されたオリジン復刻モデルの中でも特に再現度の高い、注目のモデルとなっている。



「DW-5000R」についてはこちら

原点の「DW-5000C」と、頂点の「DW-5000R」

では、そのこだわりを見ていこう。なお、現在、オリジン直系のデザインを持つウレタン樹脂モデルは、今回のような復刻モデルを除き、ほぼ「DW-5600」である。そこで、やはり12月に発売されるオリジンカラーをまとった新作「DW-5600RL」と比較、その違いを検証する。

本来この2モデルはコンセプトが異なるため比較するべきでないのは承知しているが、ここでは「DW-5000R」のこだわりとクオリティをご覧いただくために、あえて最新の「DW-5600」を用意したとご理解いただきたい。なお、以降紹介する写真はすべて左側が「DW-5000R」、右側が「DW-5600RL」だ。

  • 「DW-5000C」を最新の性能で可能な限り再現した「DW-5000R」(33,000円)

  • 「DW-5600」としては「オリジンにもっとも近い「DW-5600RL」(14,300円)

まずは正面。某レストランチェーンの間違い探しを思わせる難しさだが、あなたには違いが分かるだろうか。

まず目が行くのはダイヤル上の文字列。文字の大きさに加え、書かれている内容も異なる。これは「DW-5000R」と「DW-5600RL」では操作方法が異なるため。たとえばバックライトの点灯ボタンは「DW-5000C」は右上のボタンで、「DW-5000R」もこれを踏襲している。一方「DW-5600RL」は右下のボタンだ。

しかし、記事タイトルの通り「DW-5000R」は最新の仕様で復刻されている。実際、「DW-5000C」では電球だったバックライトは「DW-5600RL」同様LED(残照機能付きスーパーイルミネーター)となり、電池寿命も「DW-5000C」の2年から、5年(「DW-5000R」「DW-5000RL」ともに)へと延びた。

  • 「DW-5000R」(左)と「DW-5600RL」(右)の対比。ケースサイズが微妙に異なり、「DW-5600RL」は横幅が0.5mm広い

  • 「DW-5000R」の「スーパーイルミネーター」点灯状態。本家「DW-5000C」より格段に明るく長寿命

つまり「DW-5000R」は最新のモジュールの内部の配線を変え、「DW-5000C」の操作を再現しているのだ。かつて、ここまで凝った復刻モデルがあっただろうか?

また、これら文字の背景には「DW-5000」シリーズのアイデンティティでもあるレンガパターンを配置。さらに液晶表示をよく見ると、曜日表示の大きさやアラームON状態の表示も異なっているのがわかる。

  • 「DW-5000」伝統のレンガパターンももちろん再現

なお、水色の「WATER RESIST 20BAR」部分、ビジュアル部分で唯一、発売当時の「DW-5000C」が再現されていない。当時の「DW-5000C」では、ここは「WATER RESIST 200M」だが、現在は日本国内向け製品の防水表示に規定があり、これに合わせる必要から「やむを得ず」この表記となった。

「DW-5000R」と「DW-5600RL」を見分ける最大のポイントは、なんといってもケースバックだろう。「DW-5000C」はミラー研磨で仕上げられた美しいスクリューバックを採用しており、「DW-5000R」もこれに倣(なら)っている。一部の文字配置は若干異なるが、中央の「Shock Resistant」のフォントはオリジナルモデルに非常に近く、高級感があり、重みがあるので装着時は手首への座りも良い。

  • 「DW-5000R」はスクリューバックであるぶん重量感がある(といっても78gだが)。ただし、重量のボリュームが裏ぶたにあるため腕へのフィット感があり、装着感は良好

ベゼルの形も異なる。「DW-5600」には上下に凸型のバンパーがあるが、「DW-5000C」にはこれがなく、フラットな形状だ。

  • 「DW-5000」のベゼルはフラット。一方、DW-5600のベゼルには上下にバンパーがある

バンドに関しても、長さや蛇腹の形状、ディンプルの間隔、穴の周囲のモールドなど、細かい点をしっかりと再現しているのは、熱心なファンにも嬉しいポイント。

  • 「DW-5000C」と「DW-5600」はバンドのデザインも意外なほど異なる

  • バンドはそれぞれの蛇腹形状の違いから、曲げやすさも異なる。「DW-5000R」のバンドはより柔軟で、腕に沿う

なお、これら樹脂パーツの素材は環境に配慮したバイオマスプラスチック。さらに「DW-5000R」はオリジナル同様の日本製。しかも随一の製造能力を持つ山形カシオ。時計性能だけでなく、製品としての総合的な品質が向上している。

今なお特別な存在として語られるG-SHOCKの原点「DW-5000C」。その血統を継ぐモデルを一本は持っておきたいと、誰もが思うだろう。そして、今回ご紹介した「DW-5000R」は、間違いなく復刻モデルの頂点だ。もし興味をお持ちなら、この機会にぜひ入手されることをお勧めしたい。

  • 「DW-5600RL」のほか、G-SHOCKの代表的モデルのオリジンカラーバージョンが12月に登場。こちらも注目だ



「DW-5000R」についてはこちら

[PR]提供:カシオ計算機株式会社