Apple Watchのコントロールセンターを開くと、iPhoneやiPadでは見かけないアイコンが表示されています。これらはどう使えばいいのでしょうか。今回はそのひとつ、「ヒアリング」について解説します。

ヘッドホン/イヤホンで難聴になる?

スマートフォンを含む音楽プレーヤーの普及によりヘッドホン/イヤホンを使用する人が増えた現在、「ヘッドホン難聴(イヤホン難聴)」の問題がWHO(世界保健機関)から指摘されています。これは大音量に長時間さらされることで音を伝える耳の「有毛細胞」が徐々に壊れることによって起きる難聴で、初期は症状を自覚しにくいことが特徴です

  • 有毛細胞は、内耳の蝸牛(かぎゅう)にある感覚受容器細胞。ヘッドホン難聴は進行すると聴力の回復が難しくなるため、違和感に気付いたら早めの治療が必要です

具体的には、以下のような数字が示されています。

  • 85dB(デシベル)以上の音を聞く場合、音の大きさと聞いている時間に比例して有毛細胞が傷つき、壊れる
  • 80dBで1週間当たり40時間以上、98dBで1週間当たり75分以上聞き続けると、難聴の危険がある

しかし、ヘッドホン/イヤホンの音量が適切なのかどうか、自分ではわかりにくいですよね。そこで活用したいのがコントロールセンターの「ヒアリング」機能です。

「ヒアリング」機能の使い方

Apple Watchのコントロールセンターにある耳のアイコン「ヒアリング」は、ヘッドホン/イヤホンの音量を確認・調整する機能です。

Apple WatchおよびiPhoneでヘッドホン/イヤホンを使って音楽・動画等を視聴している際に「ヒアリング」を開くと、現在の音量(dB)を確認することができます。

  • ヘッドホン/イヤホン使用中に、サイドボタンを押してコントロールセンターを開く。[ヒアリング]アイコンに緑のチェック印が表示されていたら適正な音量です。タップすると現在の音量を確認できます

  • サイドボタンを押してコントロールセンターを開き、[ヒアリング]アイコンに黄色のアラートが表示されていたら要注意。タップして音量調整を開き、音量を下げましょう

ヘッドホン難聴(イヤホン難聴)を防ぐために、時々「ヒアリング」をチェックして音量に注意しましょう。長時間聞き続けないよう休憩を挟んだり、比較的小さい音量でも聞きやすいノイズキャンセリング機能を活用することも有効です。

ヘッドホン難聴(イヤホン難聴)について、より詳しくは厚生労働省の情報サイトをご確認ください。