「冬のヘッドフォン祭 mini 2023」が東京・中野サンプラザで2月10日に開催された。ここでは、FiiOやNoble Audioの新製品が展示されていたエミライブースや、その他筆者が気になった製品をまとめてレポートする。

  • 「冬のヘッドフォン祭 mini 2023」会場で見つけた注目製品。左上から時計回りにFiiOのデジタルオーディオプレーヤー(DAP)新製品「M15S」、FOCALの高級ワイヤレスヘッドホン「BATHYS」(バティス)、Shanlingの超小型プレーヤー「M0 Pro」、Noble Audioの完全ワイヤレスイヤホン限定デザインモデル「FoKus Prestige」

ESS製DACチップに一新、FiiO新DAP「M15S」

  • FiiOのデジタルオーディオプレーヤー(DAP)を多数展示

エミライブースには、ポータブルオーディオブランド「FiiO」とカスタムイヤホンブランド「Noble Audio」が出展していた。

FiiOコーナーで注目を集めていたのは、ハイレゾプレーヤー「M15」の後継機種として発売予定の「M15S」と、ドングル型USB DAC「KA5」の2機種。いずれも参考出展で、価格は未定。M15Sのみ今春発売を予定している(KA5は発売時期未定)。

M15Sは、従来の「M15」で採用していた旭化成エレクトロニクスのDACチップ「AK4499EQ」からESS TechnologyのフラッグシップDACチップ「ES9038PRO」に変更したことが大きな変更点となる。また、最新世代のヘッドホンアンプ回路を搭載し、最大1,100mW(32Ω、バランス出力時)の高出力が可能となった。ヘッドホン出力は2.5mm/3.5mm/4.4mmの3系統に加え、4.4mmバランスライン出力機能を搭載している。

  • Android OSを採用するFiiOのDAP「M15S」

OSは前機種のAndroid 7からAndroid 10にバージョンアップ。クアルコムの8コアSoC「Snapdragon 660」と4GBメモリ搭載により、音楽ストリーミング再生時もスムーズに操作できる。サードパーティアプリのビットパーフェクト再生にも対応。ハイレゾ音源はPCM 384kHz/32bit、DSD256(DSD 11.2MHz)の再生に対応し、MQAフォーマットのフルデコードも可能だ。

デザインもM15から若干変わっており、動作が軽くなってサクサクと使えるため、後継モデルというよりは新モデルと言っても差し支えない進化を遂げているといえるだろう。

完全バランス構成のポータブルDAC「KA5」

ポータブルUSB DAC「KA5」は、シーラスロジックのDACチップ「CS43198」をデュアル構成で搭載し、アンプも左右チャンネルに各1基搭載する完全バランス設計を採用。シングルDACチップ構成だった従来製品「KA3」から音質面で大幅に進化している。ヘッドホン出力は3.5mmアンバランスと4.4mmバランスの2系統を備え、最大240mWの出力が可能だ。PCM 768kHz/32bit、DSD256(DSD 11.2MHz)のハイレゾ再生に対応する。

  • 手のひらに収まるコンパクトなポータブルUSB DAC「KA5」

  • ヘッドホン出力は3.5mmアンバランスと4.4mmバランスの2系統

世界にふたつとない模様の完全ワイヤレス「FoKus Prestige」

カスタムイヤホンのNoble Audioからは、完全ワイヤレスイヤホン「FoKus Mystique」の限定デザインモデル「FoKus Prestige」が登場。

木材に樹脂や塗料を浸透させ、世界にふたつとない模様を作り出すスタビライズド・ウッドという技法を使っているのが特徴。大理石のようなマーブル模様のこの素材を、充電ケースの外装とイヤホンのシェル部分にあしらい、個性的なデザインに仕上げている。

  • 特殊な技法で大理石のような模様を作った「FoKus Prestige」

デザイン以外のスペックは従来機種「FoKus Mystique」と同じで、ドライバー構成もバランスド・アーマチュア(BA)×2、ダイナミック×1のハイブリッド3ドライバー構成となる。発売時期や限定販売数などは未定だが、価格は10万円前後になる見込み。

このほか、カスタムイヤホン「KATANA」の後継機種となる「RONIN」が今春発売予定。KATANAでは合計9基ものBAドライバーを搭載していたが、RONINではBA×8(低域用×4、中高域用×4)、超高域用の静電型ドライバー×4の計12ドライバーを搭載。KATANAの後継にふさわしく、切れ味の鋭いサウンドを追及しているという。価格は未定。

  • 計12ドライバーを搭載したカスタムイヤホン「RONIN」

13万円超えのFOCAL初ワイヤレスヘッドホン「BATHYS」

ここからはエミライ以外のブースで見つけた注目の製品をダイジェストで紹介する。

ラックスマンが取り扱うFOCAL(フォーカル)ブランドのブースでは、4月末に発売予定のハイエンドBluetoothヘッドホン「BATHYS」(バティス)を展示していた。FOCALらしいピュアなサウンドが楽しめる初のBluetoothヘッドホンで、ワイヤレス接続のほか、付属のミニプラグを使った有線接続、USB Type-Cケーブルを使ったデジタル接続(USB DACモード)の3通りの接続方式を利用できる。価格は13万7,500円。

  • FOCALブランド初のハイエンドなBluetoothヘッドホン「BATHYS」

Shanling超小型プレーヤーに約5年ぶり後継機「M0 Pro」

MUSINが取り扱うShanlingブランドのブースでは、2018年に発売された超小型ハイレゾプレーヤー「M0」の後継機となる「M0 Pro」を発見。独自の3.5mm 5極端子を採用しており、一般的な3.5mmステレオミニプラグに対応するほか、別売の変換ケーブルを使うことで4.4mmバランスプラグにも対応可能。デュアルDAC構成や最新のBluetooth規格に対応するなど、基本的なスペックも向上している。2023年の3~4月ごろの発売予定で、店頭価格は2万円以下となる見込み。

  • 約5年ぶりの後継機となる「Shanling M0 Pro」と、4.4mm変換ケーブル(別売)

NTTグループの子会社であるnwm(ヌーム)は、オープン型なのに音漏れしにくい「PSZ(Personalized Sound Zone)技術」を使ったワイヤレスイヤホン「nwm MBE001」を出展。イヤホンの外周に3つの穴が空いており、再生している音波(正相)に対して逆相の音波を出して打ち消すことで、周囲への音漏れを低減するというもの。耳をふさがない形状で周囲の音は自然に聴こえるため、ながら聴きにも最適だ。

  • 音漏れしにくいPSZ(Personalized Sound Zone)技術を使った、nwmのワイヤレスイヤホン「nwm MBE001」

  • NTTが開発したPSZ技術の概要

すでに有線モデル「nwm MWE001」が発売されているが、そのワイヤレスモデルを現在クラウドファンディングサイト「GREENFUNDING」で先行販売中(3月末まで)。一般販売は春以降の見込み。なお、会場にはPSZ技術を体感できるデモ機が用意されており、座った人にだけ音が聴こえるという不思議な体験ができた。

  • 会場に用意されたデモ機では、PSZ技術によりスピーカーに挟まれた空間のみ音が聴こえるという不思議な体験ができた