ソニーは、ウォークマンのフラッグシップ機の技術を盛り込んだハイエンドモデル「NW-ZX707」と、コンパクトな「NW-A300シリーズ」を1月27日に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格はZX707が105,000円前後で、A300シリーズは約46,000円から。

  • NW-A300シリーズ

  • NW-ZX707

ソニーでは、スマホと音楽ストリーミングサービスの普及によって自分好みの音楽に簡単に出会えるようになった時代だからこそ、「好きな音楽をとことんまで楽しんでほしい」というメッセージを込め、ウォークマンを「音楽との出会いにあふれたこの時代の、その先の『深い』音楽世界への扉」と位置づける。

NW-ZX707は、2019年発売の「NW-ZX507」の後継機種。フラッグシップウォークマンとして2022年に発売した「NW-WM1ZM2」や「NW-WM1AM2」の技術を継承した“ハイエンドストリーミング・ウォークマン”として展開。NW-A300シリーズも、2019年発売のコンパクトな「NW-A100」の後継シリーズとして投入する。

いずれも音質を高め、ストリーミング再生時のバッテリー持ちや操作性の改善を図ったほか、システム面でもAndroid 12を採用するなど、3年ぶんの進化を遂げた新機種として展開していく。いずれもBluetooth機能を搭載し、ハイレゾ相当のLDACコーデックも使えるが、aptX AdaptiveやLE Audioには非対応。

なお、現行のZX507やA100シリーズも併売するが、担当者によると、今後Androidの大型アップデートなどは予定していない模様だ。

NW-ZX707とNW-A300シリーズの発売を前に、ポータブルオーディオに造詣の深い工藤寛顕氏が実機に触れて音質をチェック。ファーストインプレッション記事として掲載しているので、あわせて参照して欲しい。

  • ウォークマンのA/ZXシリーズを並べたところ。(左から)NW-A300シリーズ、NW-ZX507、NW-ZX707、NW-WM1AM2

NW-ZX707

フラッグシップ機「WM1AM2」の技術を多数盛り込み、高音質化を追求したハイエンドモデル。本体デザインやサイズが大きく変わっており、横幅が広く角張ったデザインになったほか。ディスプレイも3.6型から5型に拡大した。ストレージメモリは約64GB。オーディオ回路や電源部もZX507より大幅に増強している。

独自の音響処理技術「DSEE Ultimate」もすべてのアプリで使えるように進化。さらにイヤホンやヘッドホンを有線接続したときだけでなく、LDACワイヤレス接続時もDSEE Ultimateの効果を発揮できるようにした。アップスケーリングについては、ロスレス音源にも対応。44.1kHz/16bitの音楽を最大192kHz/32bit相当まで拡張し、表現力を高めている。

バッテリーの持ち時間は、W.ミュージックアプリ利用時で25時間、それ以外のアプリ使用時の持続時間は22時間と大きく改善(ZX500は最大20時間)。本体のアルミ切削シャーシはブラックカラーだが、上部のヘッドホンジャック(3.5mmアンバランス、4.4mmバランス)がある角部にゴールドパーツをあしらい、高級感を高めている。本体サイズ/重さは約132.3×72.5×16.9mm(縦×横×厚さ)、約227g。

NW-A300シリーズ

コンパクトなストリーミング・ウォークマンの最新機種で、A100シリーズのサイズ感はそのままに音質やバッテリー持ちを強化。ラインナップと店頭予想価格は、「NW-A306」(ストレージ32GB)が46,000円前後、「NW-A307」(同64GB)が57,000円前後。カラーはグレー、ブルー、ブラックの3色を用意する。

なお、現行のA100シリーズでは16GBモデルが存在するが、A300シリーズでは最低容量を32GBに引き上げている。またA300では、A100にあった有線イヤホン付属モデルを廃止し、専用イヤホンと組み合わせて使えるノイズキャンセリング機能も省いた。

ZX707同様に、独自の音響処理技術「DSEE Ultimate」はすべてのアプリで使え、LDACワイヤレス接続時も効果を発揮できるようにした。バッテリーの持ち時間は、W.ミュージックアプリ利用時で36時間、それ以外のアプリ使用時の持続時間は26時間と大きく改善(A100は最大26時間)。

サイズ感はA100シリーズと変わらないが、背面に波打つようなデザインを新たに採用。手に持ったときのホールド感と質感を高めている。カラーリングについても、シックなカラーへとデザイン路線を変更。本体サイズ/重さは約55.7×98.2×11.8mm/約113g。