コルグ(KORG Import Division)は、米Moog Musicのシンセサイザー「Minimoog Model D」の販売を2022年12月29日より開始する。メーカー希望小売価格は990,000円。
「Minimoog Model D」は、米Moog Musicが手がけるアナログ・モノフォニック・シンセサイザー。サウンド・エンジンとオーディオ信号経路は 1970年代にボブ・モーグ率いるチームが開発した3基のVCOを備える「Model D」と同一で、表面実装ではないスルーホール基板による設計となっている。この最新リイシューでは、2016年リイシュー版からさらなる改良が施されており、その中には、三角波と矩形波を内蔵したアナログ回路による専用LFOや、ベロシティ、アフター・プレッシャー(アフタータッチ)対応のFatar製キーボード、パネル上端部にあるCV端子(トリムポット付き)、MIDI対応、ノブ操作だけでオーバードライブが得られ、過激な音作りを容易にするミキサー回路のフィードバックも含まれる。また、Model Dとしては初のスプリング内蔵ピッチ・ホイール(ホイールから手を放せばセンター位置に自動で戻る機構)を採用し、プレイアビリティの向上が図れるだけでなく、ワイルドなパフォーマンスをも可能にする。これらの新機能にはMIDI機能の向上も含まれている。本体は、地元(ノースカロライナ州アッシュヴィル)で採れたアパラチアン・チェリー材をウォールナット・サテンで仕上げたキャビネットの外装を採用し、ハンド・フィニッシュによるアルミ製シャシーに回路を収めている。
主な仕様は以下の通り。
- 鍵盤数:44鍵(F0~C4)
- 鍵盤アクション:シンセ鍵盤(スプリング式)
- 発音優先(低音優先、高音優先、後着優先):ユーザー選択可能
- 音源:オシレーター(x3)、ノイズ・ジェネレーター、外部オーディオ入力
- オシレーター周波数レンジ:0.1~20kHz(6段階レンジ選択式)
- オシレーター安定度(短時間):0.25%以下
- オシレーター波形:三角波、三角波‒ノコギリ波(オシレーター1、2)、反転ノコギリ波(オシレーター3)、 ノコギリ波、矩形波、パルス波(デューティ広)、パルス波(デューティ狭)
- ノイズ・ジェネレーター:ホワイト、ピンク
- LFO 周期:0.05~200Hz
- LFO 波形:三角波(ノブ押下時)、矩形波(ノブ引き上げ時)
- 外部モジュレーション入力レンジ:+10mV~+2V
- 外部モジュレーション入力インピーダンス:1MΩ
- フィルター・タイプ:電圧制御ローパス(ラダー・フィルター)
- フィルター周波数レンジ:10Hz~20kHz
- フィルター・スロープ:24dB/Oct
- フィルター・キーボード・トラッキング:1/3、2/3、1:1
- コンター(エンベロープ)アタック・タイム:1ms~10S
- コンター・ディケイ・タイム:4ms~35S 以上
- コンター・サステイン・レベル:0~100%(コンター・ピーク)
- フィルター・コンター・レンジ:0~4 オクターブ
- VCA:ラウドネス・コンター(VCAエンベロープ)、ダイナミックレンジ:80dB
- 外部オーディオ入力電圧:+10mV(最小)、+10V(最大)
- 外部オーディオ入力インピーダンス(定格):1000kΩ
- オーディオ出力(HIGH):定格電圧:0.5V、最大電圧:4.2V(ピーク間)
- オーディオ出力(HIGH)定格インピーダンス:3kΩ
- オーディオ出力(LOW:HIGHに対して30dB降下):定格電圧:15mV
- オーディオ出力(LOW)定格インピーダンス:1kΩ
- ヘッドホン出力電圧:0.3V(最大)
- ヘッドホン出力インピーダンス:8Ω
- グライド・レイト:1ms~10S
- ピッチベンド・レンジ:±7半音(最小)
- アフター・プレッシャー(アフタータッチ)CV出力(1/4″ TS端子):0~+5V(トリムポットで調整可能)
- ピッチ CV 出力(1/4″ TS 子):-3V~+7V
- ゲート出力(1/4″ TS端子):0~+5V
- ベロシティ出力(1/4″ TS端子):0~+5Vまたは0~10V(選択式、トリムポットで調整可能)
- ラウドネス入力(エクスプレッション・コントロール)(1/4″ TRS端子):0~+5V、+5V=ユニティ・ゲイン(Moog EP-3エクスプレッション・ペダル使用可能)
- フィルター・カットオフ入力(1/4″ TRS端子):1V/1Oct(Moog EP-3エクスプレッション・ペダル使用可能)
- モジュレーション・ソース入力(1/4″ TRS端子):1V/!Oct(Moog EP-3エクスプレッション・ペダル使用可能)
- トリガー入力(1/4″ TS端子):+5V Vトリガー(フィルターとアンプ両方のコンターをスタート)
- MIDI入力(5ピンDIN端子):ノート・オン、ノート・ナンバー
- MIDI出力(5ピンDIN端子):ノート・オン、ノート・ナンバー、ベロシティ、アフタータッチ、モジュレーション・ホイール、ピッチ・ベンド
- MIDIスルー(5ピンDIN端子):MIDIインからのデータをミラーリング
- 外部パワーサプライ:セルフスイッチ式 100~240V、50/60Hz、消費電力(定格):12W以下、ロック式XLR-4コネクター
- サイズ(パネル水平時):W727xD435xH146mm
- 質量:14.5kg
- 保管温度:2~60度
- 定格動作温度:10~35度
- 動作可能温度:10〜50度
同時に専用のケースとダストカバーも発売となる。ハンドルとキャスターを装備したハードケースの「MINIMOOG MODEL D ATA ROAD CASE(希望小売価格:176,000円)」、セミリジッドABSシェルを周囲に配し、バリスティック・コーデュラを外装に使用した「MINIMOOG MODEL D SR SERIES CASE(希望小売価格:71,500円)」、面ファスナー式フラップを装備したバリスティック・コーデュラ製のダストカバー「MINIMOOG MODEL D DUST COVER(希望小売価格:12,100円)」というラインナップとなっている。