ソニーは、10月18日~21日に幕張メッセで開催される「CEATEC 2022」に出展し、「ずっと、地球で感動を分かち合うために。」をテーマに、環境に関する取り組みを展示。この中で、SUVタイプのEV試作車「VISION-S 02」を披露する。

  • 「CEATEC 2022」ソニーブースのイメージ図

2022年のCEATECでは、ソニーは「地球」・「社会」・「人」の3つの視点で、テクノロジーの「兆し」から構成した環境に貢献するさまざまな取り組みを紹介。

「地球」視点の目玉となるのが、同社が手がける人工衛星を使ったサービス「STAR SPHERE」(スタースフィア)と、プレイステーションスタジオが開発中の新しいアプリケーション「Climate Station」。

ソニーは今冬、同社製カメラを搭載した超小型人工衛星の打ち上げを目指しており、操作シミュレータを使って自由に宇宙や地球を撮影するサービスを展開する予定だ。CEATEC会場では、実験的なシミュレータ「Space Shooting Lab」を展示し、「宇宙の視点」を発見する体感型宇宙撮影の「場」を提案する。

Climate Stationは、VRによる没入感を実現しつつ、複雑な気候データを見て、操作し、理解することを可能にし、気候変動の深刻さへの関心を高めるというもの。2023年にプレイステーションプラットフォームで提供を予定しており、ブースではアプリの予告動画を紹介する。

「社会」に関わる展示コーナーでは「VISION-S」と、デジタルシネマカメラのVENICE、Crystal LEDディスプレイを組み合わせた「バーチャルプロダクション」を出展する。

ソニーでは、モビリティの進化はライフスタイルや社会の在り方に変化を促し、EVやモビリティ関連サービス、スマートグリッドなどによって社会課題や環境問題にも貢献すると説明。ブースでは、2022年1月に発表したSUVタイプの試作車「VISION-S 02」を披露する。

大型LEDディスプレイをバーチャル背景として使い、その前から現実空間のオブジェクトや人物をカメラで撮影することで、背景と被写体をリアルタイムで合成した映像を制作できる「バーチャルプロダクション」技術も紹介。スタジオの中でロケ撮影したような映像制作ができるため、ロケ地に撮影スタッフが出向く必要がなく、現地での発電機の使用などのエネルギーもかからず、温室効果ガス排出量の削減に貢献できるとアピールしている。

「人」視点では、ソニーが独自開発した紙素材「オリジナルブレンドマテリアル」と、新たな「紙発泡材」を出展。

オリジナルブレンドマテリアルは、竹、さとうきび、市場回収したリサイクルペーパーを原料とし、プラスチックを使わずに環境に配慮した個装パッケージを実現。完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM4」やワイヤレスヘッドホン「WH-1000XM5」、スマートフォン「Xperia 1 IV(XQ-CT44)」ですでに使われているもので、ブースの展示什器にもオリジナルブレンドマテリアルを採用している。

紙発泡材は、回収古紙などの紙材を粉砕したものを主原料とし、発泡させて緩衝材として使えるもの。で他の紙材と組み合わせることで、重量のある大型の製品にも対応できる緩衝特性を追求。また、紙を原材料としているため加工がしやすく、さまざまな成形が可能だという。