デジタルカメラやスマートフォン、アップル製品など、さまざまなジャンルを専門とするライターやカメラマンのみなさんに「2021年に買ってよかった、胸を張って人に薦められるナンバーワンのデジタル機器や家電」を挙げていただきました。さらに、専門領域ではないが買ってよかったと感じたアイテム、または「これは買って失敗、大後悔…」だと感じたがっかりアイテムもプラスアルファで紹介してもらいます。今回は、美しいスナップ写真でカメラやレンズの魅力を存分に引き出してくれる写真家の鹿野貴司さんです。

ミラーレス時代に輝きを見せるAPS-C一眼レフ「K-3 Mark III」

2021年に買ってよかったもの――、僕的にはペンタックス(リコーイメージング)のカメラ・レンズいろいろでしょうか。4月に発売されたAPS-C一眼レフ「K-3 Mark III」(実売価格は25万円前後)のプロモーションに携わることになり、2020年末から試作機で撮影を重ねていました。

  • K-3 Mark IIIとHD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW。を、K-1 Mark IIとHD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AWで撮りました。どっちを見せたいのかわからない写真ですが、とりあえず50mmのボケ味の良さはおわかりいただけるかと

実のところ、ここ数年、仕事をこなすカメラはほぼミラーレス機。カメラもレンズもコンパクトで、仕上がりがファインダーでリアルに確認できるミラーレス機はいいことずくめです。ただ、撮る前から結果が見えていることは味気ないのも事実。そこに2020年7月、ペンタックスは「うちはずっと一眼レフでいきます」と宣言したのです。ほとんどのメーカーがミラーレス機にシフトし、一眼レフから手を引きつつあるなか、おいおい正気か?と思いましたが、正気だったようです。K-3 Mark IIIというすばらしい一眼レフを送り出してきました。プロモーションに携わったからお世辞を言っているのではありません、本当によいのです。

K-3 Mark IIIは、光学ファインダーを構成するペンタプリズムにこだわり、視野の広さはフルサイズ機のK-1 Mark IIとほぼ同じ。APS-Cフォーマットの一眼レフでは、井戸の底を覗くようなファインダーが多いなか、広い視界をスパッと切り取る感覚が味わえます。初めて使ったときは「そうそう、これがファインダーだよ! カメラだよ!!」と五輪級の感動を与えてくれました。聞いた話によると、人は五輪で感動するとビールを飲むらしいのですが、カメラで感動するとどうなるか。そう、レンズが次々に増えるのです(笑)。すると、そのレンズをフルサイズでも使いたくなり、気の迷いでK-1 Mark IIも買ってしまう大誤算。年の暮れには、ペンタックス製品がカメラ2台、レンズ7本まで増殖していました。

最近も、2021年8月に発売された「HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW」(実売価格は17万円前後)と、それに触発されて3年前に登場した「HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW」(実売価格は13万円前後)というスターレンズ2本を買ってしまいました。ペンタックスレンズにはいろいろな製品ラインがあるんですが、代表的なのが見た目も写りもクラシカルなLimitedシリーズと、画質優先の設計でキレキレに写るスターレンズ。小さくて味のあるレンズが好きな僕はリミテッドシリーズ中心に揃えていたんですが、やはりキレキレの写りには抗えず。どちらもどっしりとした鏡筒に、これでもかとガラスが詰め込まれたヘビー級です。「重たく感じるレンズはよく写る」というのが僕の持論ですが、この2本の写りはまさにそれを証明してくれます。ミラーレス機でなんとなく物足りなさを感じている方には、このような感動と体験を与えてくれるペンタックス製品をおすすめいたします。ただし、くれぐれも自己責任で。

  • K-3 Mark IIIとHD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AWで撮影。ペンタックスらしいキレがあるけどコクもある仕上がりです

金メダル級の感動をもたらした「ビストロ」

と熱くペンタックスの話を書き綴りましたが、カメラ以外でしみじみ買ってよかったと思うのが、パナソニックの「ビストロ NE-CBS2700」(実売価格は154,000円前後)です。さんざんカメラの話をしたあとなので、どんなカメラかと思われそうですが、レンジです。レンズじゃなくてレンジです(笑)。正確にはスチームオーブンレンジというやつですが、スマホの専用アプリでメニューを選び、指示通りに材料を入れて、ピッと本体へ送信するだけで焼き物、煮物、蒸し物、揚げ物、ありとあらゆる料理が完成してしまうのです。アプリのレシピは常時更新され、何を作ろうか迷いがちな主夫にはすばらしい道しるべにもなります。

  • ビストロで地味に重宝しているのが「スチームトースト」。某高級トースターのようにしっとりとしたトーストが焼けます

今では当たり前のように毎日活用していますが、購入直後は乾麺を折ってボウルに入れ、水と油、具材を入れてセットするだけでパスタができることにこれまた五輪級に感動してしまいました。こちらは感動するとどんな消費喚起が起こるかというと、魚ですね。火加減が難しい魚料理もこれなら簡単です。あと、鶏の唐揚げも旨いですね。時間のあるときは、カレー粉やヨーグルトで仕込んでタンドリーチキンを作っています。以前から持っているシャープのヘルシオホットクックと合わせると、下ごしらえだけで夕食の献立が揃ってしまうことも。酒のつまみなどもいろいろ作れますので、コロナで自宅での晩酌が増えた…という方にもおすすめです。