連邦準備制度理事会(FRB)が中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関する研究を進めていると発表する前に、FRBのジェローム・パウエル議長はコインベースのブライアン・アームストロングCEOと会談していた。

7月2日に公表されたパウエル氏のミーティングカレンダーによると、FRB議長は5月11日にアームストロング氏と元下院議長のポール・ライアン氏と30分間の会談を行った。ポール・ライアン氏が一緒だった理由は不明だが、同氏は2019年に政界から引退した後、現在は投資企業Solamere Capitalにいる。

パウエル氏のミーティングスケジュールの中ではどのようなトピックが議論されたのかは明らかにされていないが、アームストロング氏の5月14日のツイッタースレッドをみると、下院議員や連邦機関のメンバーらと話すのに注力していたと語っている。仮想通貨に関する議員の疑問に答え、米国におけるテクノロジー規制をより明確することを目指したと、アームストロング氏は書いていた。

当時、アームストロング氏は中国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)について、「米国がそれを作成するために迅速に行動しなければ、長期的に米国の準備通貨の地位を脅かす」と意見を述べていた。その1週間後、パウエル氏はFRBがCBDCを実施するための研究を進めると発表している。

パウエル氏は当時、FRBが今年の夏にディスカッションペーパーを公開する予定だと明らかにした。米国でCBDCを設計するには「重要な金融政策、金融の安定、消費者保護、法律、プライバシーに関する考慮事項」が浮上するため、一般市民や議員からの意見が必要だと、パウエル氏は語っていた。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン