JPモルガンは25日に発表したノートで、ビットコインは短期的に好転する兆しは見られないとの見解を示した。市場は現在回復に向かうように見えているが、実際はまだ健全性は低いことを指摘した。ブルームバーグが26日に報じた。

JPモルガンはオンチェーンデータから、最近の仮想通貨の売却は損失を補填するために行われたと指摘。さらに「市場には清算する必要のあるポジションが残っている可能性が高い」と短期的な下落を示唆した。

ビットコインは4月に記録した史上最高値である65000ドルほどから約半分にまで落ち込んでいる。中国の仮想通貨規制やプルーフオブワークの電力消費による環境影響への懸念が尾を引いている。さらに新型コロナウイルスによるパンデミックの景気刺激策が縮小されることが、仮想通貨にとっては悪影響となる可能性が高い。

一方でポジティブな要因としては、ビットコインの先物市場が安定していることや、マイナーが中国から他国に移ることで、生産コストが上昇することを挙げた。生産コスト上昇は一見するとネガティブ要因に思えるが、歴史的に生産コストとビットコイン価格は連動している。

それでも、現在はまだ健全性が低いことから、ファンドストラットのデビット・グライダー氏はリスクを減らすかプロテクションを買うことを勧めた。

JPモルガンがノートを発表した後、重要なサポートレベルと見られている3万ドルからの反発があった。Cointelegraph Markets ProとTradingViewのデータによると、ビットコイン価格は30,070ドルまで急降下した後、週末に33,445ドルまで急速に回復した。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン