コインベースのブライアン・アームストロングCEOはブルームバーグとのインタビューで、同社のトレーディング収入が昨年と比較して約50%以上減少していることを明らかにした。
アームストロング氏は、インタビューで同社の収益について聞かれると、2021年には70億ドルの収益と40億ドルの利益があったが、2022年には「だいたい半分かそれ以下になりそうだ」と述べている。
コインベースは以前、投資家向けの書簡で、2022年の利払い前・税引き前・減価償却前利益(EBITDA)の調整後利益が約5億ドルの赤字になる見込みであることを述べていた。
インタビューの中で、アームストロング氏は、FTX問題についても質問された。FTX破綻が仮想通貨業界にダメージを与えるのかと尋ねられると、彼は「ちょっとした汚点」であることを認めたが、起こったことはバーニー・マドフやエンロンのような従来の金融スキャンダルと大差はないと主張している。
また、アームストロング氏は、規制は「悪いことではない」と考えており、FTX破綻が「警鐘となり、米国ではより明確な規制が行われるだろう」と予想する。
どの規制当局が仮想通貨取引所の規制権限を持つべきかという質問に対して、アームストロング氏は、異なる仮想通貨は異なるユースケースを持っていると強調した。それらを1つのカテゴリーに入るべきではなく、異なる仮想通貨は異なる規制当局によって規制されなければならないだろうと語る。
今年はコインベースを含む仮想通貨取引所にとって厳しい1年だった。5月には、ステーブルコインのテラUSD(TUSD)が米ドルとのペグを失い、市場に恐怖が広がった。7月には、仮想通貨レンディング企業セルシウスが、TUSD崩壊の影響により破産を申請した。
仮想通貨市場が回復し始めた頃、大手仮想通貨取引所だったFTXが流動性危機に陥り、破産手続きも開始した。
これらの出来事などの結果、今年に入ってから仮想通貨の取引活動は急落し、コインベースは第3四半期だけで44%の収益減を記録している。