ブロックチェーン分析会社Nansenが11月17日に発表した新しいレポートによると、破産した仮想通貨取引所FTXは、当初から仮想通貨取引会社アラメダ・リサーチと共謀していたようだ。両企業はサム・バンクマン-フリード氏によって設立されたが、彼は現在、取引所の崩壊の責任追及のため米国当局への身柄引き渡しが検討されている。

入手可能なオンチェーンデータに基づき、Nansenは2019年5月にアラメダをFTXの初期の流動性プロバイダーの1つとして配置する一連のウォレットを特定した。そのネイティブトークンFTTの最初の供給量3億5000万のうち、2700万トークンがアラメダのFTX入金ウォレットに行き着き、2社合計で供給量の86%をコントロールしていたとされている。この設定は、FTTがオープンな市場でほとんど流通していないことを意味し、トークンが価格操作の影響を非常に受けやすくなっていたことを示すものだ。

FTTトークンが0.10ドルから84ドルに上昇した2021年の強気相場に早送りしてみる。Nansenは、この2社は市場を深刻に混乱させることなく大量のポジションを現金化することができず、おそらくFTTポジションを担保にして融資を受けていたと考えている。

そしてNansenは、2021年9月にアラメダとジェネシス・グローバル・トレーディングの間で、約16億ドル相当のFTTが交換されていることを指摘した。Nansenによると、問題は、FTXとアラメダが価格を融資を返済するために自社のFTTトークンに再投資し始め、レバレッジが高まったことから始まったという。

レポートは続けて、2022年6月の仮想通貨暴落まではうまくいっているように見えていたと指摘する。ジェネシスへのエクスポージャーを持つスリー・アローズ・キャピタルやセルシウスといった中央集権的な金融会社が吹き飛んだことで、アラメダはおそらく、FTTトークンを現金で売却しない限り解決できない流動性危機に直面した。しかし、これはFTTを暴落させ、FTX取引所に問題を波及させることなしには不可能だった。

その後、オンチェーンデータでは40億ドル以上のFTTトークンがアラメダからFTXに送られ、同額のローン発行の可能性が示唆している。一部では、アラメダへの緊急流動性注入の原資として、FTXが顧客預金を移動させた可能性が指摘されている。

最終的に、仮想通貨取引所バイナンスのチャンポン・ジャオCEOが、FTTからなるFTXへの投資を清算することを決定し、この問題がついに明るみに出たわけである。この動きは投資家を驚愕させ、同時にFTX取引所への取り付け騒ぎとFTTへの強烈な売り圧力を引き起こした。間もなく、ユーザーはFTXが約束した資金がそこにないことに気づき、世界第3位の仮想通貨取引所であったものの終わりの始まりにつながったわけだ。