仮想通貨投資商品を提供するグレイスケール・インベストメンツは「セキュリティ上の懸念」を理由に、同社のデジタル通貨商品の原資産を示すオンチェーン証明やウォレットアドレスの提供を拒否している。

投資家の懸念に対処するため、11月18日のツイッタースレッドで、グレイスケールは、その保有物する仮想通貨のセキュリティとストレージに関する情報を示し、その投資商品の基礎となるすべての仮想通貨はコインベースのカストディサービスで保管されているとしている。ただ、ウォレットアドレスを明らかにするまでには至らなかった。

ウォレットアドレスを公開しない点について「一部の人が失望することは知っている」とグレイスケールは付け加えた。「しかし、他社が引き起こしたパニックは、長年にわたって投資家の資産を安全に保ってきた複雑なセキュリティの取り決めを回避する十分な理由にはあたらない」としている。

グレイスケールによる動きは、FTXの流動性危機とその後の破綻をきっかけに、プルーフ・オブ・リザーブ(準備金の証明)を導入するために仮想通貨企業への圧力が高まるのを受けてのものだ。

グレイスケールは、コインベースCFOとコインベース・カストディCEOが共同署名したレターを共有し、グレイスケールの保有資産を投資商品ごとに分解して、資産が「安全」であり、各商品が「独自のオンチェーンアドレス」を持ち、仮想通貨が常に「該当するグレイスケール商品に属する」ことを再確認した。

グレイスケールは、各製品が別法人として設定されており、「法律、規制、文書[…]は、製品の基礎となるデジタル資産を貸与、借入、またはその他の方法で担保に入れることを禁止している」と付け加えている。