先週、世界最大級の仮想通貨取引所のFTXが破産申請をした。

Web3界隈への評判が失墜したと嘆く人も少なくない。しかし、我々は、悲観することはないと考える。Web3は世界に革新をもたらせ続けるだろう。今回の一件は、どちらかというとカストディアン(顧客資産を預かる業者)への打撃となるだろう。かつてないほど、中央集権的なプレイヤーが顧客資産の扱いで不正を行ったりハッキングされたりすることへの危機感が大きくなっている。

FTXの一件は、流動性危機による破綻という以上の意味合いがある。それはカストディ・クライシスと言えるだろう。中央集権的な組織があなたの資産をあなたの代わりに取り扱う時、何が起きるのか分からないことがまざまざと露呈された。秘密鍵をサードパーティーに渡した時、あなたは自分の資産への所有権を失うのだ。
 
数字は嘘をつかない。FTXクライシスが起きた1週間、我々のLedger Nanoの売上は過去最高を記録した。自分で自分の資産を管理するセルフカストディの必要性が、かつてないほど意識されている。
 
次のチャプターへ

FTXの崩壊は、仮想通貨の本質を思い出させるものだった。仮想通貨は、透明性の高い分散化社会の構築のために作られたのであり、中央集権型のカストディアンに管理を任せるために生まれたのではない。ブロックチェーンは、デジタル主権をもたらす。新しい形のデジタル銀行ではない。

Web3の最も重要な約束とは、オーナーシップとは何かを人々に考えさせることだ。中央集権型の組織があなたのトークンを勝手に凍結するなんてもっての他だ。

あなたのお金やID、個人情報、その他の所有物をトークンとして持つという選択肢は今後も増えるだろう。それらは他の誰かに所有されて良いものではない。あなたのものだ。

そして、Ledgerは、その世界の実現のために存在している。

FTXの破産は、新たなデジタル時代の幕開けを加速させるだろう。より分散化した、よりユーザーが中心となった、より安全な時代だ。
 
Web3の次のチャプターが始まった。
 

 

著者 Ledger

プロフィール:2014年に誕生した仮想通貨のハードウェアウォレットの会社。拠点はフランスにあり、現在はLedger Nano XとLedger Nano S+、Ledger Nano Sという3種類のハードウェアウォレットを製造・販売している。Ledger Nano S +は2022年4月4日発売の最新作。Ledger Nanoシリーズに接続して使うソフトウェアであるLedger Liveを、全ての仮想通貨サービスが1箇所に集まるプラットフォーム、いわば「Web3.0のハブ」にすることを目指している。公式サイト:https://www.ledger.com/ja