オープンソース技術へのアクセスを通じてブロックチェーンエコシステム内のイノベーションを可能にする世界的な非営利組織であるLinux財団は、オープンウォレット財団(OpenWallet Foundation:OWF)を立ち上げる計画を発表した。

OWFは、技術関連と公共関連企業、およびブロックチェーンエコシステム内の関係者が協力して、デジタルウォレットの相互運用性をサポートするオープンソースソフトウェア(デジタル資産を送受信、保管、監視するためのソフトウェア)を開発する。

9月13日に発表されたプレスリリースによると、OWFの主な目標は、技術的な理解があれば誰でも安全、安心、プライバシー保護された相互運用可能なウォレットを構築するために使用できる多目的オープンソースエンジンを構築することであるとしている。また、同財団は、デジタルウォレット技術のベストプラクティスを確立することを目指しているという。

同財団は、デジタルウォレットそのものを作るのではなく、他の組織や企業、開発者が独自の多目的デジタルウォレットを作るために利用できるオープンソースのソフトウェアエンジンの構築に注力するとしている。Linux財団のエグゼクティブディレクターであるジム・ゼムリン氏は、次のように話している。

「私たちは、デジタル社会にとってデジタルウォレットが重要な役割を果たすと確信している。オープンなソフトウェアは、相互運用性と安全性の鍵となる。私たちは、オープンウォレット財団をホストすることを嬉しく思い、その可能性に期待している」

財団のメンバーであるアクセンチュアのDavid Treatは、次のように述べた。

「ユニバーサルデジタルウォレットインフラは、トークン化されたアイデンティティ、マネー、オブジェクトをデジタル世界のあちこちに持ち運ぶ機能を生み出すだろう。大規模なビジネスモデルの変化が訪れており、デジタルビジネスは、私たちのウォレット内のデータに直接アクセスして、はるかに優れたデジタル体験を実現するための信頼を獲得するものが勝利することになるだろう」

Linux財団に加え、CVSヘルス、オープン・アイデンティティ・エクスチェンジ、Okta、OpenID財団、Ping Identity、polypoly、Procivis AG、Transmute、Trust Over IP財団などの有名企業がこの取り組みに参加している。