厳しい財政事情に直面している仮想通貨貸借業者のホドルノート(Hodlnaut)が、従業員の大部分を解雇した上で、管財手続に入るための申請を行った。

厳選された対象への仮想通貨の利付投資オプションを提供するホドルノートは、19日に自社の危機的な状況について認めた。悪名高きテラUSD(UST)大暴落の際に香港支社が被った損失に加え、大量の預金引き出しや市場全体の失速により、同社の財政状況が悪化した。

ホドルノートは「更生管財手続」を申請する道を選んだ。同社が所有するビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)の精算を避ける最終手段として、シンガポール裁判所が管財人を任命し、口座の状況や事業について調査する。

手続の下では再生計画を実施することも可能となり、会社再建の道も開けてくる。同社の声明によると、1対1の負債比率まで資産を回復し、ユーザーが元々預けていた仮想通貨を引き出せるようにするという。

また、ホドルノートの口座を閉鎖する前の時点での金利を全額付与したかたちでユーザーが預金を引き出せるように努力するとも述べている。この点は、まもなく任命される管財人の承認待ちということになる。

ホドルノートは、バーンレートを下げることで流動性を安定させるプロセスに入る。それにより、オープンタームのすべての金利が8月22日から年率0%に変更される。同社は経費削減のため、全従業員の8割に当たる40人を解雇したことも認めた。

更生管財手続の申請は、プラットフォームで引き出しや預け入れが停止されてからわずか数週間後の8月22日に行われる。ホドルノートは、先日破綻したスリー・アローズ・キャピタルに対する投資エクスポージャーはないとしているが、オンチェーンの分析では、破綻したアルゴリズム型ステーブルコインUSTに対するエクスポージャーがあったことが示唆されている。