ナイジェリア中央銀行のゴドウィン・エメフィレ総裁が木曜、アブジャで開催された「2022 eナイラ・ハッカソン」での講演中に、ナイジェリアの中央銀行デジタル通貨(CBDC)「eナイラ」はユーザー基盤強化のため、新たなテクノロジーで拡大の第2段階に入ると述べた。アフリカ初のCBDCであるeナイラは、21年10月に立ち上げられた。

「eナイラは旅であり、1回限りのイベントではない」とエメフィレ総裁は述べ、次のように付け加えた

「我々は今、デジタル経済、デジタル空間の中にいて、そこでは現金ユーザーが消えほぼ誰もいなくなるという事実を受け入れるしか、選択肢はない」

「プロジェクトの第2段階が始まった。この段階は、銀行口座を持たないユーザーや十分なサービスを受けられていないユーザーを取り込むことで、金融包摂を推進することを目的としており(中略)約800万人のアクティブユーザー達成を目標とする」と、エメフィレ総裁は続けた。このCBDCはこれまでに約84万件ダウンロードされ、アクティブなウォレット数は約27万件、そのうち25万2000件は消費者向けウォレットである。これまでに約20万件、金額にして約40億ナイラ(公式為替レートで約950万ドル)相当が取引された。

エメフィレ総裁によれば、同中央銀行は「来週までに」非構造化補助サービスデータ(USSD)を導入し、ユーザーが銀行口座を持っているかどうかにかかわらず、携帯電話で4桁のコードをダイヤルすることによりeナイラ・ウォレットを作成できるようにするという。その後、銀行口座を持つユーザーは、即時決済システム「ナイジェリア銀行間決済システム(NIPS)」を利用して、銀行口座間送金を行うことができるようになる。eナイラにはすでに、ユーザーが公共料金やその他多くのサービスの支払いを行えるアプリが用意されている。