著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト

東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。

ポイント

・23,000ドルで跳ね返され、再び20,000ドルトライ

・15年ぶりのスイス中銀利上げで市場の雰囲気が一変、質への逃避相場に

・その余波で日銀政策決定会合にも注目が集まるが、YCC解除はパンドラの箱

・パウエル議長のスピーチで市場の不安心理を断ち切れるか

昨日のBTC相場

昨日のBTC相場は上に行ってこいの展開。

20,000ドル(約270万円)でサポートされると、23,000ドル(約310万円)手前まで反発。その後、失速し、再び20,000ドルをトライしている。

シンガポールの暗号資産ヘッジファンド大手Three Arrows Capital(3AC)が暗号資産価格下落による追加証拠金が支払えずポジションの大幅清算が発生しているとの報道を受けBTCは値を下げたが、20,000ドル手前でサポートされた。

注目のFOMCでは50bp利上げとの先週までのコンセンサスに反し、75bp利上げとなったが、パウエル議長が会見で次回は50bp利上げもあり得るとしたことが安心感となり、引けにかけて米株は反発、BTCも上昇に転じた。

しかしBTCは23,000ドル手前で上値を抑えられると、スイス国立銀行のサプライズでの50bp利上げを受け欧州株や米株先が下落、更にこちらは事前予想通りだったがイングランド銀行も25bp利上げすると、世界同時利上げによる景気悪化懸念が急浮上、リスクオフの流れが強まった。

米州時間に入ると、NYダウが3万ドルを割れ、米10年債金利が20bp低下するなど「質への逃避」の動きが強まり、BTCには売り圧力がかかり続けた。

更に、FT紙が前述の3ACがBlockFiにマージンコールが払えずポジションを清算したと報じたことも相場の重石となり、20,000ドルを再トライしている。

本日のBTC相場

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本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限らない。