著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。
16日のビットコイン(BTC)対円相場は332,113円(10.94%)安の2,703,333円と大幅反落したが、対ドルで節目20,000ドル水準となる266万円は死守した。
米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を控え警戒ムードが広がり、15日のBTC対円は東京時間から欧州序盤にかけて上値の重い展開となり、300万円周辺から270万円付近まで下落。一方、これによりドル建て相場が節目の20,000ドルに肉薄すると、押し目買いの様相で反発し、ショートスクイーズを伴って290万円まで戻した。
FOMCでは75ベーシスポイント(bp)の利上げが決定され相場が一時押したが、経済見通し概要では年末時点の金利着地予想が3.5%以下となり、年内にも利上げペースが緩む可能性が残され、会見ではパルエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が7月の会合では利上げ幅を50bpに戻す余地もあると発言し、リスクオフの巻き戻しで相場は一時300万円を回復した。
こうして安堵感からのリリーフラリーを演じたBTC相場だったが、昨日は買いが一巡し失速。米株先物が反落するとBTCも連れ安となり、前日安値からの上昇幅を解消。更に、昨日はドル円相場が急反落したことがBTCの円建て相場の重石となり、BTC対円相場は前日安を割り込んだ。
第1図:BTC対円チャート 1分足 出所:bitbank.ccより作成