エルサルバドル政府が支援するビットコイン(BTC)ウォレット「Chivo(チボ)ウォレット」をサポートする仮想通貨取引所ビットソーの幹部によると、ウォレットの普及は大きな成功を収めたという。

チボ・ウォレットは、2021年9月7日にエルサルバドルでBTCが法定通貨になったことに伴い、ローンチされた。メキシコの仮想通貨取引所ビットソーがカストディと交換サービスを提供し、ユーザーがビットコインを売買できる。

ビットソーの企業・規制問題最高責任者のフェリペ・ファレホ氏によると、同社はエルサルバドル政府がビットコインを購入し、BTCが米国ドルに換金できるようにバックエンド技術を提供しているという。

「9月に政府との協力を開始して以来、ビットソーはチボ・ウォレットに流動性を提供し続けている」とファレホ氏は述べた。ビットソーがチボ・ウォレットを通じてエルサルバドルで営業を開始しており、現在は同社プラットフォームを通じてのみ取引できるという。同取引所は、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、コロンビアで活動している。

ファレホ氏は、「チボ・ウォレットとの取り組みを通じて、国民の多くが安全で簡単な取引のためにこのアプリケーションを利用するようになったことを実感している」と強調。また、全米経済研究所の調査によると、チボ・ウォレットをダウンロードした人の40%が、政府のビットコイン奨励金を受け取った後も使い続けているという。

「これは比較的強い普及の兆しだといえる。仮想通貨や日常のユースケースに関する教育が地域で進むにつれ、技術やビットコインが生み出す機会についてより深く理解した上で、アプリケーションを使い続けるユーザーが増えるだろう」

ファレホ氏は、エルサルバドル人全体の20%が、30ドルの無料ボーナスをビットコインで使った後も、チボ・ウォレットの使用を継続したと明らかにした。これは、特にエルサルバドルにおける従来の金融サービスの普及率と比較すると、「普及が進んでいるという強いシグナル」と捉えられるだろう。一部の情報筋によると、2017年時点でエルサルバドルの成人のうち銀行口座を持っているのは29%だ。

649万人の国民がいるエルサルバドルには260万人のチボ・ユーザーがいるとファレホ氏は述べた。コインベースといった主要な大手取引所では、2021年第4四半期時点で合計1140万人のアクティブユーザーがいることから、チボ・ウォレットのユーザー基盤を強調した。