著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト
東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。
ポイント
・41,000ドル近辺でもみ合い
・ウクライナ情勢は進展、FOMCにもポジティブに反応
・ただ、3月9日の42,000ドル台を抜けるにはプラス材料が欲しい
・週末にウクライナで動きがあった場合、BTCが大きく反応する可能性あり
昨日のBTC相場
昨日のBTC相場は底堅い展開。
昨晩から未明にかけて、39,000ドル(約465万円)台から41,000ドル(約485万円)台まで上昇すると、その後は41,000ドル近辺でのもみ合い推移が続いた。
注目のFOMCでは予想通り25bp利上げとサプライズは無く、パウエル議長の景気に強気な見方も伝わり米株は上昇、BTCも利上げは織り込み済だったことやインフレ懸念は払拭できないことから上昇で反応した。
ウクライナ情勢でもラブロフロシア外相が合意に期待するとコメント、露大統領府筋が「独自の軍隊を持つ中立的なウクライナは可能な妥協」だとしたとの報道や、FT紙がロシアとウクライナが和平交渉で中立計画を模索と報じ、米株や続くアジア株は上昇していった。
しかし、バイデン大統領のプーチン大統領を戦争犯罪者としたことにロシア側が反発、また夕刻にはロシア報道官が交渉に大きな進展があったとするFT紙の記事について聞かれ、正しい要素はあるが全体として間違っていると述べた。
一方で18日に米中首脳会談が開催されるとの報道で、事態打開への期待も膨らみ、和平交渉の行方が不透明な中、BTC市場は高値圏でのもみ合いが続いた。
懸念されたロシア国債の利払いはJPモルガンとCITIを通じて行われる見通しとなり、デフォルト回避との見方から、米株は上昇に転じたが、BTCは3月9日に付けた42,000ドル台を前に上値を抑えられている。
本日のBTC相場
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本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限らない。