ロシアで仮想通貨マイニングが活発になるにつれて、電力供給の安定性を維持するのに苦労する地域も出るようになっている。
現地メディアのTASSによると、ロシアと中国との貿易の中心地であるイルクーツク州では、マイニング活動のため2021年に電力消費量が4倍に増加した。
現地の電力企業は、仮想通貨マイニング事業の急速な成長と2021年の仮想通貨上昇、そして昨年9月の中国での仮想通貨禁止措置との関係を指摘している。「これらの要因が状況を悪化させ、2020年と比較して電量使用量が4倍になった」。
電力会社によれば、現地の人々が住居に仮想通貨マイニングファームを設け、電力消費量増と電力ネットワークの停止を引き起こしているという。
また別な電力企業の証言によれば、1月に「中国からマイニング装置を満載した」7機のボーイング737型機がイルクーツクに到着したという。
内務省の犯罪捜査局長であるアンドレイ・ズバノフ氏は、イルクーツクの住民の中には犬小屋にマイニング装置を設置しているケースもあったと述べている。「マイニングは多くの熱を引き起こすため、犬にとっても暖かく、それで一石二鳥となる」と、同氏は述べている。
現地の電力会社はマイニングを行っている人々に対して合計137件の訴訟も起こしている。
ロシアのプーチン大統領は最近、ロシアには余剰電力や訓練された人員がおり、仮想通貨マイニングにおいて競争上の利点があると語っていた。