国際通貨基金(IMF)の新しい調査によると、仮想通貨はもはや金融システム内で「あいまいな」資産ではなくなり、株式市場との相関関係が高まり、ビットコイン(BTC)などの仮想通貨がメインストリームなものに移行しているようだ。

この調査を解説したブログによれば、デジタル資産と金融市場との間で相互接続性が高まっており、それが新しいリスクとしても認識されている。暗号資産と株式との相関関係が高まれば、「リスク分散効果が制限され、金融市場全体に伝播するリスクが高まっている」と主張している。

「ビットコインなどの暗号資産は、ユーザーが少ないあいまいな資産クラスからデジタル資産革命にとって不可欠なものに成熟している」ともブログでは書かれている。これに伴い、暗号資産が金融の安定性に与えるリスクも高まったと付け加えている。

パンデミック前においてはビットコインやイーサリアム(ETH)は主要株価指数とほとんど相関していなかったため、暗号資産がほかの資産クラスの変動に対するヘッジ手段として機能し、投資家のリスク分散に役立っていたと指摘している。「しかし、これは2020年はじめの中央銀行危機の対応の後に変化した」と付け加え、暗号資産と株式の相関が急速に高まったとしている。

60-day correlation coefficient between Bitcoin and S&P 500 index. Source: IMF

BTCとS&P500の相関係数は、2020年4月以降に0.01から0.36に上昇した。これは、コロナウィルスのパンデミックが始まって以来、2つの資産クラスがより密接に関連していることを意味している。

IMFの専門家によると、相関が強いほどビットコインのリスクが高くなる。仮想通貨市場と株式市場の間の相互接続性が高まれば、市場のショックが相互に伝播する可能性も高まるだろう。IMFの専門家は、暗号資産がもはや金融システムの周縁ではないとして、「仮想通貨の採用が進んでいる国では、金融の安定性に直結するリスクとなる可能性がある」と述べている。

さらに仮想通貨エコシステムに起因する金融安定リスクを軽減するため、調整されたグローバルな規制枠組みが必要になると、IMFの専門家は主張している。