米財務省の幹部はステーブルコインの規制について新たな発言を行った。米財務省のネリー・リャン財務次官は、ステーブルコインを使用すれば投資家には「潜在的に大きなリスク」があると指摘し、「議会が立法しない場合、規制当局は自身が持っている権限を使用しようとする」とコメントした

ただ議会からの権限付与がなかれば、広範囲な規制を展開することは難しく、「ステーブルコインの健全性リスクに対処するために議会の行動が必要だ」とリャン氏は述べている。

規制当局は、ステーブルコインの金融安定性へのリスクに相次いで懸念を表明している。米国の金融安定監視委員会(FSOC)は直近の年次報告書の中で、ステーブルコインに関して、非流動性や適切な保護手段の欠如、償還に関する不透明性、サイバー攻撃のリスクなどによって、消費者からの信頼が損なわれる恐れがあると指摘している。

金融安定監視委員会は11月の報告書でも、議会が法案を可決させなかった場合、ステーブルコインに対処するための独自の措置が必要だと述べていた。

一方で議会の方はではステーブルコインは分裂している。民主党重鎮のエリザベス・ウォーレン上院議員は、ステーブルコインに厳しいアプローチを取っている。「ステーブルコインは、消費者と私たちの経済にリスクをもたらす」と述べ、「手遅れになる前に、規制当局は取り締まりに真剣に取り組む必要がある」と述べている。共和党のパット・トゥーミー上院議員は、ステーブルコインが「より迅速な支払、支払システムへのアクセス拡大などのエキサイティングな新技術」だと歓迎している