コンパクトウォレット、いわゆるミニマム財布がトレンディなのだそうだ。
言われてみれば、財布の中身というのは、この20年くらいで大きく変化してきた。
まず、電子マネー等の浸透で小銭が少なくなったし、小銭どころか数万円の紙幣を持ちあることもあまりない。そのくらいの高額な買い物の代金を現金で支払うことはまずなく、ほとんどの場合はクレジットカードを使うからだ。
そのクレジットカードも多くがタッチ決済できるようになったので、スマホのウォレットで代用できるようになった。当然、交通機関を利用するときに使う交通系のICカードもスマホアプリとFeliCaを使ったSuicaでいい。ここはとても早期にキャッシュレス、カードレスが実現し、もっとも最初にプラスティックカードがいらなくなった分野だ。
会員証やポイントカードがスマホにイン
ただ、ヨドバシカメラのゴールドポイントカードがタッチ非対応だとか、近所のスーパーマーケットの西友もクレジットカードのタッチ非対応などで、個人的には携行するプラスティックのクレジットカードを手放せない。
それでも、各ショップのポイントカード的なものの多くはスマホアプリになったので、これらは財布からスマホへと引っ越した。スマホアプリならかさばりはゼロだ。また、近所のスポーツクラブの会員証のようなものも、そのバーコードをスマホのウォレットやスマートウォッチで表示できるようになったので、これまたカードもいらなくなった。
それでもクレジットカードを含めて何枚かのプラスティックカードが財布の中は残っている。だから、当面、ミニマム財布では収納できない。
生き残っているプラスティックカードもある
なくてはならないプラスティックカードの代表選手は銀行カードだ。いくら現金を持ち歩くことがほぼなくなったとはいえ、出先で急に現金が必要になることだってあるかもしれない。そんなときのために銀行カードは携行するようにしている。
同様に、レンタカーを借りたときに使う有料道路用のETCカード、近所でレンタルしている物置倉庫のキーカード。なんだかんだでこれらをあわせると10枚にはならないが、8枚程度にはなっている。
それに加えて通院している病院の診察券カードがある。もしかしたら、いちばん種類が多いかもしれない。
歯科、眼科、内科、皮膚科、整形外科、耳鼻咽喉科などなどで、それぞれにかかりつけ医がいる。自宅にキープしておいて、病院に行くときにピックアップして行けばいいのだが、結局は財布の中に入れっぱなしになっている。
これらを省略できれば財布はずいぶんスリムになることがわかったので、とりあえず、診察券専用のカード入れを用意し、そこに各病院の診察券と、その病院に行ったときだけ利用する飲食店の紙ポイントカードなどを入れてみたりして試行中だ。
スマホがフル対応できそうなのに環境が整わない
といいつつ、先日は、でかけた病院に到着してからそのカード入れを持参するのを忘れていることに気がついた。病院の診察券は、忘れても、健康保険証があればなんとかなるので助かった。
健康保険証、運転免許証、マイナンバーカードの3枚は、常時携行しているカードとして、今のところは欠かせない。マイナンバーカードはAndroidスマホに証明書をインストールできるようになっているが、すべての機種に対応しているとは限らないし、新機種への対応も遅い。なので新しいスマホを購入したときには、半年ほどは待つことを覚悟しなければならない。マイナンバーカードの健康保険証利用もそうだし、今後は運転免許証なども対応するそうだが、新機種発売直後の混乱は避けられないだろう。
というわけで、とりあえずは、マイナンバーカードさえもっていて健康保険証代わりに使えるなら、病院の診察券は必要ないようにすることを望みたい。それをスマホで代替できるようになれば、マイナンバーカードそのものも携行する必要はなくなる。
こうしたお膳立てがあったとしても、世の中がそれにフル対応した状態になるには時間がかかる。それを加速しないことにはミニマム財布で十分という世の中はなかなかやってこない。
著者 : 山田祥平
やまだしょうへい
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