米AMDは7月22日(現地時間)、GPUOpenにブログ記事を投稿する形で、レンダリング遅延計測ツール「Frame Latency Meter (FLM)」をリリースした。v1.0とついており、すでにGitHubからダウンロードして利用できるようになっている。
最近のグラフィックス技術の中ではフレームをレンダリングする遅延の低減にも大きな注目が集まっており、NVIDIA ReflexやAMD Radeon Anti-Lagなどの遅延低減機能が取り沙汰されている。競技タイトルではよりレスポンシブな体験を実現できるほか、描画負荷の大きなゲームを高パフォーマンスで動作させることにも役立てられている。
このうち、競技向けタイトルではマウスの操作からレンダリングされ、画面に表示されるまでの遅延がきわめて重要視されている。NVIDIAはLDAT(Latency And Display Analysis Tool)を展開して遅延の計測をサポートしているが、今回AMDからもツールがリリースされた形だ。
興味深い点として、AMDのFrame Latency Meter (FLM)ではGPUメーカーに依存しない。AMD GPUではAMF (Advanced Media Frameworkを活用できるが、他社製品ではDesktop Duplication (DXGI)を用いて測定可能。収集した情報はcsvファイルで出力できる。
ブログ記事の中で、一般的にマウス操作から銃撃の発生をとらえるためにマズルフラッシュを用いていたことに触れ、「FLMのマウス遅延測定ツールのユニークな特徴のひとつは、弾丸のマズルフラッシュを使わずに遅延時間を測定できることです。つまり、弾切れを心配することなく、好きなだけ素早く測定できるのです。その結果、アプリケーションは自律的に動作し、測定サンプルを無制限に収集することができ、より高い精度を達成することができます」と述べられている。