アドビは7月23日(米国時間)、Adobe Illustratorの2024年7月リリース(バージョン28.6)の提供を開始した。今回の新バージョンでは、「生成ベクター(Beta)」がアップデートして画質の向上や機能強化が図られているほか、「生成塗りつぶし(シェイプ)(Beta)」「生成パターン(Beta)」などの機能も追加されている。

生成ベクター(Beta)

「生成ベクター(Beta)」は、2023年10月に導入された、生成AIによりプロンプトからベクターイラストを生成する機能。今回のアップデートでは生成AIモデルがAdobe Firefly Vector 2 Modelに更新されており、公正やディティールのリアルさ、雰囲気やライティングが改善されている。参照画像でイラストのスタイルを指定したり、さまざまな効果を適用したりといった指定も行える。

  • 生成ベクター(Beta)利用イメージ

    生成ベクター(Beta)利用イメージ

  • 参照画像/効果

    左は参照画像でスタイルを指定したバリエーション。右は効果の選択画面だ

生成塗りつぶし(シェイプ)(Beta)

新機能の「生成塗りつぶし(シェイプ)(Beta)」は、シェイプの塗りつぶしを生成したイラストで行うというもの。ここでも「スタイル参照」機能を利用できる。

  • 生成塗りつぶし(シェイプ)(Beta)の利用イメージ

    生成塗りつぶし(シェイプ)(Beta)の利用イメージ

生成パターン(Beta)

この「生成パターン(Beta)」も今回追加された新機能。オブジェクトの塗りとして生成イラストを適用する「生成塗りつぶし(シェイプ)(Beta)」に対し、こちらは生成した反復パターンを適用するものとなる。生成したパターンはスウォッチに追加して再利用可能だ。

  • 生成パターン(Beta)の利用イメージ

その他の新機能

生成AI関連以外にも、下記のような機能が追加されている。

  • モックアップ機能:製品パッケージなどのオブジェクトの表面にアートを配置し、オブジェクトの曲線やエッジに合わせて配置したアートを自動で変形させる機能。
  • 寸法ツール:正確なサイズを簡単にプロットできるツール。
  • Retype機能:静止テキストを編集可能なライブテキストに変換する機能。フォントの特定も可能。
  • 選択機能の強化:長方形投げ縄選択などの選択機能の強化により、複雑なデザインの中でもより精密かつ正確にオブジェクトを選択できる。
  • パンとズームツールの強化:パンとズームがより高速でスムーズになる。
  • コンテキストタスクバー:ユーザーの作業に関連性の高い次のステップを提示することで、作業をスピードアップする。