サードウェーブは、6月19日に開催した「人事および来期以降の事業方針関する発表会」において、2024年8月1日第42期から井田晶也氏が取締役社長 兼 COOに就任することを発表した。現社長の尾崎健介氏は、代表取締役会長兼CEOに就任する。

  • サードウェーブ社長交代

    代表取締役会長兼CEOに就任する尾崎健介氏

  • サードウェーブ社長交代

    取締役社長 兼 COOに就任する井田晶也氏

社長交代の背景には生成AIをはじめとする市場の変化が挙げられる。これまで「GALLERIA(ガレリア)」など「BtoC」向けのPCで培ったノウハウを活かしつつ、今後よりハイスペックなPCの需要が伸びていくことが予測される「BtoB」分野の強化をしていくために、人事に踏み切った形だ。

そこで、業界の顔が広いうえに、BtoBへの理解が強く、幅広いネットワークを有する井田氏に白羽の矢が立った。

井田氏は「Future Unleashed」というビジョンを掲げた。「これは『未来を解放する』という意味でして、尾崎社長が築いた可能性を解放して未来へ進めていくという想いを込めました」と説明したうえで、今後のビジネスの展望を発表。神奈川県の工場に法人向けのラインを設け、BTOなどコンシューマーで培ったハイエンドPCの技術をすべて法人向けにも活かし、企業ごとにカスタマイズしたPCを展開する。

「組織体制強化しつつ、CADやBIM、ゲーム開発などの分野に注力。AI全般にチャンスがあると考えています」と、業種・業態に特化したターゲットへの取り組み強化に言及する井田氏。2026年末までには企業の購入するすべてのPCが「AI PC」に置き換わるというガートナーの調査を引用し、エンタープライズのPC需要についての可能性を述べた。今後3年間で「法人売上2倍、総売上額1000億円」を目指す。

  • サードウェーブ社長交代

    今後の展望について話す井田氏

  • サードウェーブ社長交代

    BTOのPCを展開していたコンシューマーのノウハウを活かし、企業ニーズに合わせてカスタマイズしたPCを短納期で提供していく

なお、BtoBを強化していくとは言ったものの、BtoCについても、サードウェーブのeスポーツに向けたサポートなどは引き続き検討していく。また、全国にオープンしているドスパラの新店舗についても、出店を続けていく方針だ。法人営業のハブにして展開することも検討している。