ソニーネットワークコミュニケーションズは8月30日、光回線サービス「NURO 光」が、震度6以上の災害経験者200名と災害未経験者200名の計400名を対象に実施した「いざという時のインターネットの使い方」についての調査結果を発表した。

あわせて、災害が発生したときのインターネットの利用方法や災害に対する事前準備などの情報をまとめた、令和版「ネットの防災マニュアル」を公開した。

  • 令和版「ネットの防災マニュアル」をダウンロード配布

災害時にインターネットがつながらないことでどの程度不安を感じるか聞いたところ、53%が「とても不安を感じると思う」、36%が「やや不安を感じていると思う」と回答し、災害においてもインターネットが重要視されていることがわかった。

  • 全体の約9割が災害時にインターネットがつながらないと不安に

不安要因を聞くと、「コミュニケーションツールが使えず、家族や知人、同僚などの安否確認ができない」「情報検索できず、災害状況の確認をできない」「情報検索できず、世の中の状況の確認をできない」の順となり、災害時にインターネットが利用できず人や情報とつながれない状況は、人々の不安をかきたてることが明らかになった。

また、30年以内に高い確率で大地震の発生が高確率で予想されていることを知っているか聞くと、74%が「知っている」と回答。

続いて、災害時にインターネットがつながりにくい状況になる可能性があることを見越して、対策や準備が出来ているかどうか聞いたところ、対策や準備ができている人はわずか3%。どちらかというとできている思う方を合算しても全体の1割程度にすぎなかった。災害経験者と災害未経験者で比較すると、災害経験者は対策や準備ができている人は5%、災害未経験者は2%であった。

  • 災害時に備えて“人と情報のつながり”に関する対策をしているのは災害未経験者よりも災害経験者が多い

災害時に備えて“人と情報のつながり”に関して対策をしているか調査したところ、全体的に準備不足の傾向がある中、いずれの設問においても、災害経験者の方が未経験者よりも備えをしていることが見えてきた。災害時に家族との連絡手段を決めているかを聞いたところ、23%が決めていると回答。決めている連絡手段は「スマホ・携帯電話のSMS」(51%)、「災害用伝言ダイヤル(171)」(47%)、「固定電話(自宅や会社)」(44%)が上位に挙がった。

次に、スマホやパソコンが利用できない状況に備えて、家族の連絡先をデジタルツール以外にメモなどで控えているかを聞いたところ、「ある」と回答したのは全体の28%。さらに、家族と連絡がつかない場合に備えて自宅以外の集合場所を決めているかという問いに対して「決めている」と回答したのはわずか18%であった。

  • スマホやPCが利用できない状況に備え、家族の連絡先をメモなどで控えている人は28%

災害時の情報収集には避難指示や気象警報、緊急地震速報の情報を得ることができる災害用アプリが有効だが、こうしたアプリをインストール「している」人は21%で、これらの人の多くは災害時に備えて、実際にアプリを利用しているという。

災害などによる停電に対する備えとして、スマホを充電する機器を用意しているか聞くと、49%が「用意は特にない」と回答。準備している人にその機器を聞くと、「繰り返し充電タイプのモバイルバッテリー」(51%)がトップ。次いで、「乾電池式モバイルバッテリー」(15%)、「コンセントが使えるポータブル電源」(14%)、「スマホ充電ができるソーラー充電器」(14%)となった。

  • 災害時の停電に備え、スマホを充電する機器を用意していない人は49%

スマホのバッテリー消費を抑える方法を尋ねると、全体では「知らない」が6割程度であったが、災害経験者は半数以上が「知っている」と回答し、災害経験の有無で大きな差があった。具体的な方法で最も認知が高かったのは、94%の方が回答した「画面の照度を下げる」であった。

携帯キャリアが災害時に無料開放する公衆無線LANサービス「00000JAPAN」の認知度を調べると、89%が「知らない」と回答。日頃からコンビニや駅などの公衆無線LANの提供場所を84%が「確認していない」と回答し、インターネットを接続するための情報のインプットと確認が不足していた。

なお、ソニーネットワークコミュニケーションズは、防災やインターネット分野の専門家による監修のもと、災害が発生したときのインターネットの利用方法や災害に対する事前準備などの情報をまとめた、令和版「ネットの防災マニュアル」(PDF)を配布している。同マニュアルはPDF形式でダウンロード可能で、印刷して手元に置いておくことでインターネットがつながらない環境でも参照できるようになっている。

  • 令和版「ネットの防災マニュアル」の一部