大日本印刷(DNP)は9月1日、書体の主観的な読みやすさと個人の読み書き特性の関係を明らかにする調査を実施した結果、同社と東京工業大学らと開発した「じぶんフォント」の有効性が確認できたことを発表した。
調査結果によると、「読み書きを苦手と感じ、かつ、文字が動いて見えるなどの視覚的な症状がある」グループでは、「読み書き困難がない」グループと比べて、「明朝体」を読みやすいと感じる人は少なく、「じぶんフォント どっしりまるご」と「じぶんフォント すっきりまるご」を読みやすいと感じる人が多数であった。
「じぶんフォント(3種類)」を読みやすいと回答した人は、同グループで49%となり、読み書き困難のないグループの37%よりも割合が高いことが判明した。
この結果から、読み書き困難の視覚的な症状がある人には、丸みがあって抑揚が少ない(太さが一定の)書体、文字の底辺がどっしりしていて、重心が分かりやすい書体が読みやすい可能性が示されたとしている。
また、読み書き困難の有無に関わらず全体の約25%の人が、調査で使った7書体の中で「じぶんフォント はっきりまるご」を最も読みやすい書体に選んだという。1位となった丸ゴシック体(約35%)に次いで、多くの人にとって読みやすい書体であることがわかった。3種類の「じぶんフォント」を合わせると、約40%の人にとって最も読みやすい書体と評価されたという。
DNPは、今回の調査結果がより実生活に近い環境で文章を読む場面でも確認できるか、実証実験を行っていく。DNPWebサイトのほか、DNPグループで障がい者雇用に取り組む特例子会社のDNPビジネスパートナーズのWebサイト、NTTドコモのWebサイトに「じぶんフォント」を実装し、その有効性を検証していくということだ。