Ankerが同社史上最強のノイズキャンセリングをうたう完全ワイヤレスイヤホン「Soundcore Liberty 4 NC」(直販12,990円)の発売を開始した。

先行製品の「Soundcore Liberty 4」(直販14,990円)よりも2、000円安く設定されている。ドライバーの数や空間オーディオのヘッドトラッキングの有無などで差別化され、デザインや音質、機能性を含めトータルで完成度の高い製品を選びたいなら無印のSoundcore Liberty 4、ノイズキャンセルにこだわりたいならこのSoundcore Liberty 4 NCを選んでほしいと案内されている。

  • Soundcore Liberty 4 NC。高感度センサーに加え11mmの大口径ドライバーを採用、チャンバーの遮音性も向上させ構造的にノイズキャンセリング性能を高めている

お手頃価格で使いやすいAnkerのノイキャンイヤホン

昨今、この機能がなければイヤホンではないくらいに各社の製品に搭載されるようになったノイズキャンセル機能だが、ここのところ、以前は受け入れざるを得なかった暴力的な無音の圧力が軽減されつつある。

昔、といっても数年前くらいだが、かつてのノイズキャンセルは静寂が耳に襲いかかるようなムードだったのだ。表現が難しいが無音という大きな音が耳を圧迫するという感じだ。

ノイズキャンセルは、仕組みとして、環境ノイズを集めて拾い、その逆相音を作って再生し、リアルなノイズを打ち消すものなので、無音という音を常に聴いているようなものなのだ。だから、強力なノイズキャンセル機能は長時間使うと聴覚がつらくなってしまいがちだ。

空の旅など長時間のフライトの最中に、ずっとノイズキャンセルイヤホンやヘッドホンをつけていると、確かにラクで疲労が少ないのだが、それを外したときにホッとする。個人的には、それが気になって、聞こえるか聞こえないかギリギリくらいの小さな音量で音楽を流すなどで抑止してきた。これはノイズキャンセルの永遠の課題だろうと思っていた。

ところが、Soundcore Liberty 4 NCをつけてみるとその無音の圧力がほとんど感じられない。これが技術の進化なのかと実感する。きっと、焼き鳥やうなぎのタレ同様に、ベンダーごとの秘密のノウハウがあるのだろう。

  • Soundcore Liberty 4 NCを装着して聞くノイキャンは、耳が詰まるような無音の圧力が少なかった

「世界最高のノイズキャンセリング性能」を持つソニーのヘッドホン

ソニーも「世界最高のノイズキャンセリング性能を備えた完全ワイヤレスヘッドホン『WF-1000XM5』発売」と題するニュースリリースで、新しいイヤホンの発売を告知した。

発売は9月1日なので、実際に入手できるのはまだ少し先だが、この「世界最高」に対して「2023年4月10日時点、ソニー調べ。JEITA基準に則る。完全ワイヤレス型ノイズキャンセリングヘッドホン市場において」と説明されている。

  • 発表会で展示されていたWF-1000XM5(店頭価格42,000円前後)。発売は9月1日と少し先だ

この製品については同社広報のnoteが公開されていて、実に、秘伝のタレについて詳しく解説されている。

左右6個のマイクで外界の環境音を集音し、そのノイズをリアルタイム処理する2個のプロセッサー、そして、逆位相の音を生成するダイナミックドライバーXで最高峰のノイズキャンセルを実現しているという。世界で初めてデジタル処理でのノイズキャンセルヘッドホンを開発したソニーの面目躍如といったところか。

まだ、発売前だが、実際に試すことができた。耳に装着してみると、これまた暴力的な無音の圧力が感じられない。ただ、旧製品のM4と比べると静寂感は落ちたようにも感じるがナチュラルな静寂だ。むしろノイズキャンセル効果が低くなってしまったと感じる人もいると同社の説明員が話してくれた。

ソニーやAnkerが実現する「シン・ノイズキャンセル」

このナチュラルさが、シン・ノイズキャンセルであり、今現在のトレンドのようだ。おそらく各社がこのトレンドを追いかけている。

今回、試すことができたAnkerとソニーの製品は、4万円超と12,000円台と、価格的には3倍以上の開きがある。だが、どちらもそのシン・ノイズキャンセルのトレンドに向かってチューニングされているように感じた。

さすがに3倍以上のコスト差は、ソニーの製品の音の上品さを魅力的に感じさせるのに十分な金額だが、Ankerの製品もかなりのもので、どちらの製品も、これからのノイズキャンセルイヤホン/ヘッドホンのリファレンス的な存在になりそうだ。

製品を選ぶときには、この2社のみならず、他のメーカーの製品にも食指が動くかもしれないが、この2製品と比べるようにすれば、製品のコストとパフォーマンスのバランス、位置づけが把握できるはずだ。