米Microsoftは6月28日(現地時間)、公式ブログで「Update on Windows 11 minimum system requirements」という記事を公開し、年内に正式版が登場する「Windows 11」のハードウェア要件に関する情報を追加した。24日にWindows 11を発表した時点で、開発者向けのドキュメントなどでサポートするプロセッサが第8世代Intel Core以降、AMD Zen 2以降となっていたが、これは正式版のシステム最小要件ではなく、正式版ではより幅広いプロセッサでWindows 11を利用できる可能性がある。

ハードウェア要件に関する情報追加で同社はWindows 11をインストールできるPCの原則を挙げている。

  • セキュリティ:堅固なセキュリティを実現するために、Windows Hello、デバイス暗号化、仮想化ベースのセキュリティ(VBS)、Hypervisor-Protected Code Integrity (HVCI) 、セキュアブートといった保護機能を有効にできるハードウェアを要件とする。TPM(Trusted Platform Module)内蔵、セキュアブートとVBSおよび特定のVBS機能をサポートするCPUが必要になる。これまでのテストでは要件を満たすテストデバイスにおいてマルウェアを60%削減できた。
  • 信頼性:新しいWindows Driverモデルを採用したCPUを選択し、99.8%のクラッシュフリーを達成しているOEMおよびシリコンパートナーからサポートされることで、優れた信頼性を実現。
  • 互換性:今日のPCユーザーが使用しているアプリケーションとの互換性。1GHz以上の2コア・プロセッサ、4GB以上のメモリー、64GBストレージなど、OfficeやMicrosoft Teamsと同じ最小システム要件。

現時点で、第8世代Intel Core以降、AMD Zen 2以降、Qualcomm 8シリーズ/7シリーズは3つの原則を確実に満たすことを確認している。Microsoftは28日に、Windows InsiderプログラムのDevチャンネルにWindows 11の初のプレビュービルド(Build 22000.51)をリリースした。プレビュービルドは、現時点でのWindows 11のハードウェア要件を満たしていなくても、Windows Insiderプログラムの最低要件を満たしていたらDevチャンネルでは導入可能。Devチャンネルでのテストを通じて、第7世代Intel CoreやAMD Zen 1が3つの原則を満たすかどうかを検証していく。

Microsoftは24日にWindows 11を発表した後に、Windows PCユーザーがPCの互換性を確認できるチェックアプリの提供を開始したが、現時点で原則を満たしていると確認済みのプロセッサに基づいて判定しており、ハードウェア要件がまだ最終ではない現状ではエンドユーザーの誤解を生む可能性がある。そのためチェックアプリの提供を停止し、秋の正式版リリースに向けた準備の段階で提供を再開する。システムの最小要件を含むWindows 11の最新の情報はWindows 11の公式ページで確認できる。