1月20日、都内某所でNVIDIAとデル・テクノロジーズ、伊藤忠テクノソリューションズ(以下、CTC)が一堂に会し、「Workstation Masterclass – デジタルツインはこう攻めろ、最新ソリューションを知る」と題したセミナーを開催しました。NVIDIA Omniverseって何? という話から、伊藤忠テクノソリューションズ(以下、CTC)が提供する法人向けソリューションとしての提供形態について聞いてきました。
忙しい方向けにざっくりとまとめておくと、NVIDIA Omniverseとは要するに忠実度・規模・互換性に極めて優れた3Dソフトの一種。CTCのNVIDIA OmniverseパッケージではデルのPrecisionワークステーションが機材として採用されており、クライアント企業の3Dデータを活かした提案を行っている…という内容でした。
セミナーのアジェンダ、登壇者の面々
セミナーはデル、NVIDIA、CTC、NVIDIA(2回目)、デル(2回目)の順で進行していきました。キーワードとして現実を3D空間上に再構築する「デジタルツイン」が挙げられており、NVIDIAはNVIDIA Omniverseそのものについて、デルは同社ワークステーションPCについて、CTCはNVIDIA Omniverseの法人向けサービスについて発表を行いました。
2時間にわたって行われたセミナーの内容についてかいつまんで紹介すると、「NVIDIA Omniverseとは」「CTCが提供するNVIDIA Omniverseのサービスとは」「NVIDIA Omniverseの強み」「最近のデル製ワークステーションPC」が主要なトピックになっていました。いち消費者の筆者としては、NVIDIA Omniverseが法人向けにどう販売されているかを知られた点が興味深かったです。
NVIDIA Omniverseはさまざまな3Dツールの間を取り持てる基盤
NVIDIA Omniverseとは「メタバース アプリケーションを作成し、運用するためのプラットフォーム」であるとNVIDIA公式ページで表記されていますが、要は一種の3Dソフトウェア。極めて忠実度の高い物理・グラフィックスをサポートし、超大規模な空間も構築でき、クラウドにも対応し、USD(Universal Scene Description)フォーマットで高い互換性を備える上、複数人での作業にも対応するためにプラットフォームとして利用できる点が大きな特徴です。BMWやメルセデス・ベンツはこの特徴を生かしてロボットや人の動きまでシミュレーションし、次期生産拠点の設計にNVIDIA Omniverseを利用しているとのこと。
日本でもいくつかのITベンダーがNVIDIA Omniverseをサービスとして提供しており、CTCもその一社。今回登壇された鈴置氏の部署ではXR系の製品を多数取り扱っているとのことで、法人向けに360度動画やスマートグラスの活用を提案中。中でもNVIDIA Omniverseはクライアントがすでに保有している3Dデータの活用に向けて案内しており、「自社のデータを使って何ができるか試したい」「自社に有効な使い方を検討したい」という要望に応えているそう。ハードウェアにはデルの高性能ワークステーションが採用されています。
CTCのサービス機材として採用されており、今回のセミナーを主催したデルはワークステーションPCを紹介。今世代モデルとしては市場でやや後発になったとのことで、14インチの小型ながら性能と機動性を最適化したという第12世代Core搭載モデルや、AMD Ryzen Threadripper搭載で圧倒的な性能を実現したという「Dell Precision 7865」について紹介しました。
ちなみに、この記事で紹介したNVIDIA Omniverseは2名までの個人なら無料で試すことも可能。同一プロジェクトの同時編集やUSDファイルの取扱、手持ちの機材でどんなモデルを動かせるかについて知れるようになっています。当然NVIDIAが誇るPhysX 5.0、Blast、Flowでの高忠実度な物理シミュレーションにも対応しているほか、GeForce RTXシリーズでのレイトレーシング機能も利用可能。なお、ダウンロードにはアカウント登録が必要です。
Great getting started tutorial 👏 https://t.co/dVaJiWkpAH
— NVIDIA Omniverse (@nvidiaomniverse) January 18, 2023