今や多くの人が使っている、AirPodsに代表されるTWS(完全ワイヤレスイヤホン)。様々なメーカーのものが販売されており、もはや日用品になりつつあります。そう考えるとよりデザインに凝った製品があってもよさそうですよね。AirPodsなどには収納ケースを着せ替え出来るカバーも多く発売されています。一方、海外ではケースもおしゃれにデザインしたTWSが出てきました。それはリップスティック、口紅型のTWSです。
女性が手に持ってみると、たしかに口紅のような形をしています。どこかの化粧品メーカーのノベルティーと言われたらそう思うかもしれません。この口紅型TWSの製品名は「HUAWEI FreeBuds Lipstick」。そう、スマートフォンメーカーのファーウェイが新たに投入した製品なのです。
ファーウェイはスマートフォンメーカーとして知られていますが、アメリカ政府の制裁を受けたことでスマートフォンの生産が思うようにいかなくなってしまっています。そのためスマートウォッチやワイヤレスヘッドホン、TWSなどIoT製品の拡充を図っているようです。とはいえ、ファーウェイが化粧品のようなデザインの製品を出すとはちょっと驚きですね。
ファーウェイのスマートフォンは、2020年第2四半期にスマートフォンでシェア1位になっており、スマートフォンメーカーとしてのイメージが強いでしょう。しかしIoT製品、特にウェアラブル端末もグローバルでは人気です。たとえばファーウェイのスマートウォッチは電池の持ちの良さが受けており、グローバルでのシェアはAppleに次ぐ2位。そしてヘッドホンなどを加えたウェアラブルデバイスでは4位と、スマートフォン以外の製品も高いシェアを誇っています。
ファーウェイはTWSを「FreeBuds」のブランド名で展開しており、日本でも開放型でハイブリッドアクティブノイズキャンセリングに対応した「HUAWEI FreeBuds 4」を販売しています。HUAWEI FreeBuds Lipstickは、このHUAWEI FreeBuds 4の本体をレッドカラーとし、さらにケースを口紅風のステンレス素材で仕上げたものなのです。音質など性能も、もちろん申し分ありません。
色の好みはあるでしょうが、真っ赤なTWS本体はファッションによってはよく映えるでしょう。クリスマスカラーでもあり、この冬向けの製品とも言えます。なお販売国は限定され、価格は249ユーロ(約3万3,000円)。日本でもぜひ出してほしいもの。
TWSは耳に装着して使うものですから、他の人からの視線も気になりますよね。そうであればファッションブランドなどからも製品が出てきてもよさそうですが、本体が小さいためにロゴを入れるのが難しいことからか、海外でもブランド品はあまり見かけません。目立ったところではDIESEL(ディーゼル)が真っ赤なTWSを出しています。DIESELのカラーでもある赤い色は小さいTWSを映えるものにしてくれます。
そういえばファーウェイはスマートグラスでメガネのファッションブランドである「GENTLE MONSTER」とコラボした「HUAWEI Eyewearシリーズ」を展開しています。最初のコラボ製品は2019年に発表、現在は2世代目となる「HUAWEI Eywear II」が販売されています。ファーウェイはすでに早い時期からウェアラブル製品のファッション化を目指そうと考えていたわけですね。
TWSはAirPodsが独走状態で、つい先日には久しぶりにフルモデルした製品が発表されました。デザインもよく性能もいい、ということでAppleのウェアラブル端末のシェアをさらに高める存在になるでしょう。一方では人とは違うものを使いたい人や、白以外の色がいい、という人もいるでしょう。サムスンはよりさらに小型の「Galaxy Buds」を出しており、異なるデザインのTWSを欲しい人はそちらも検討するといいかもしれません。
TWSは使わないときはケースに入れるため、人前でケースを出す機会もあるかと思います。そんなときにHUAWEI FreeBuds Lipstickのケースを出せば注目を集めそうです。TWSは本体形状や色、そしてケースも含め、もっと様々なデザインのものが増えてくると楽しくなりそう。テック系企業以外のブランドからの製品登場にも期待したいものです。